段階的にスキルアップできる
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章ごとに簡潔にまとめられていて理解しやすく、スキルアップしていくのが自分でもわかるので楽しみながらできます。今まで何気なく弾いていたモノがどういった構成で成り立っていたか、分解もそれなりに出来るようになりました。
ただ、ある程度の事前知識が必要。タブ譜が読める程度ではちょっと厳しいかも…
画期的ベース解説書
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幾分地味な概観、かつ、腰が引けてしまうようなタイトル…。
確かにベース初心者が手に取るような、「かんたんガイド」のような類ではありません。
しかし、緻密に解析されたベースライン構築のための非和声音、開放弦の活用法に関する記述は、これまでありそうでなかった画期的な解説です。
結局のところ、一見難解に見えるこのような理論書で、根幹からじっくりとベース弾きとしての本質を理解し、検討を重ねることが、上達への早道なのではないか。
硬派な文体ではありますが、著者が伝えたいことの根本部分は一貫して明確です。
それは、
「ポピュラー音楽におけるベース演奏で最も大切な要素は『リズム』である」
「そして、非和声音と開放弦の活用が効率のよい運指に繋がり、演奏者の負担を軽減させ優れたリズムを生み出す」
ということです。
決して頭でっかちな本ではありません。
極めて実践的で、あらゆるプレイスタイルに応用可能な柔軟性を持つ内容の良著です。
創造性と実践の両面に重きを置いた良書
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本書はいわゆる教則本の類ではありますが、「ベースラインを創造する」ことに重きを置きながらも、実際の演奏への適用も同時に良く解説されており、理論と実践のバランスが取れた良書だと思います。
一応本書中でもある程度の楽理を知っていることを前提にしているとありますが、実際には体系だった知識がなくても、適宜分からない用語をGoogle等で調べて行けば、十分理解できると思います。
主なターゲットは4ビートJazzですが、本書中でも適宜触れられているように、ポップス・ロックへの応用も十分可能です。
特にロックベーシストに取っても、コード間の繋ぎのフレーズの幅を広げるには、かなり役立ちそうです。
日頃ベースを演奏されている方に取っては、全体を通読しても十分理解できると思いますが、譜例に従って楽器で音を出して行けば、本書で触れられている理論と実際の音・響きの関係がより明確になって、理解が進むと思われます。
特に前半部(非和声音)は、節を追うごとにフレーズが「Jazzっぽく」なって行くのが分かります。
また後半部(解放弦)はよりベース演奏に特化した内容ですので、是非ベースを手にその効果を確かめながら読み進めることをお勧めします。
ベース弾きとして本当にお勧めできる本です。
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多くのジャスベース用教則本の内容は、スケールやアルペジオを中心にした基礎練集や、特に解説のない譜例集で、手癖になるまでひたすら反復すべし、というスタンスのものがほとんどのように感じます。
しかし、手癖にはできても、解釈できないものを、それ以上発展させることは難しく、ついマンネリのありがちなラインを繰り返しているなんてことはないでしょうか。本書は、単なるベースラインの紹介ではなく、ラインを組み立てる上で、非和声音がどういう立場で使用できるのかの解説に重点を置いている点で画期的です。意味が分かればラインの工夫、分析もできるというもの。
また、ウッド、エレベ両方を対象にした内容であり、エレベ用のジャズテキストが乏しい現状ではじつにうれしい。開放弦を上手く使うことでプレイの自由度を高める方法や、8ビートや16ビートへの応用などは、ジャズ以外のジャンルの人にとっても、おおいに参考になるでしょう。
内容はなかなか硬派で、書店でよく見る「簡単マスター」系とは趣が違い、身につけるためには、それ相応の時間と努力が必要でしょうが、でもそれが当然ですよね。初心者の方も、やや敷居の高そうなタイトルだけど、ちょっと背伸びして手に入れておいて損はないと思いますよ。