ここまではごく普通のことかもしれないが、ここに登場するのは、それを止めることができなかったお母さんだ。息子が成長して家を出たあとも、車にはしごを載せて、町を越えて、大人になった息子の家の窓辺までやってくる。そして寝ている息子をやさしく揺すり、同じように歌うのだ。しかしそんなお母さんにも、ついに避けることのできない老いがやってくる。年をとって病弱になったお母さんは、もう息子を抱きかかえることができなくなってしまう。そして、ついには息子とお母さんの役割が逆転する。優しい色彩を使ったシーラ・マックグローのイラストで飾られた感動の1冊。4歳から8歳向け。(Richard Farr, Amazon.com)