カタチだけの結婚
価格: ¥0
解説 クーロン黒沢
バンコクのドストエフスキーこと岡本朋久が、己の結婚、そして離婚を赤裸々に記した私小説を、生原稿スキャンという、今までにない画期的な方法で電子書籍化した本書。
3年数ヶ月付き合った大学時代の同級生・順子と、つまらない口げんかで破局した岡本。どういうわけか「節約」に病的な関心を示し、拒食症を発症。「世間体の悪い病院」に入院を命じられてしまう。
退院後、他の男と交際中の順子に粘り強く復縁を迫った末、押しに弱い彼女と再び元サヤに収まることができたはいいが、久々の燃えるようなセックスの後、順子の口から本心を見透かされるひと言を浴びせられてしまうのだった。
「あなた、私が好きなんじゃなくて、セックスそのものが好きなんでしょ?」
そんな順子と毎晩のようにセックスしつつ、早見優でオナニー。さらに飽きたらず、同僚の子持ちシングルマザーに欲情。会社の便所で抜いてしまうなど、阿修羅のような性欲を見せる岡本。
幸せ一直線と思われたふたりだが、ある日、順子が野村證券に中途採用されたのを機に風向きが変わる。
この当時から株をかじっていた岡本。信じられないことに彼は天下の野村證券を、野村というおっさんが個人で経営する小さな証券会社と思い込んでいたのだ……。
「やっぱり私、他の男と結婚するわ……。大丈夫、結婚してもちゃんとアナタにはやらせるから」
よそよそしいセックスの後、深い眠りについた岡本がふと目覚めると、順子の姿は無かった──。
果たして二人は幸せになれるのだろうか? まあ、なれるわけないよね……というわけで、婚活に悩む全世界の男女に送る、結婚生活の真実を暴いた問題作。遂に登場! 全て実話である!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
著者紹介
岡本朋久
1960年生まれ。茨城県出身。日本大学文理学部哲学科卒。
80年代からタイ・バンコク在住。中華街(ヤワラー)の安宿・台北ホテルに隠棲し、愛とセックスと数字をテーマに、40作を超える赤裸々な私小説を書き散らした、知る人ぞ知るアジアの文豪。
これまでタイ人とセックスした回数を3169回と即答するなど、数字へのこだわりは常人を超越。常に秘蔵のノートを携帯し、性行為の回数だけでなく、身の回りの森羅万象を何もかも残さず書き込んでいる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー