寺田寅彦の随筆はこれだけ読め!
価格: ¥0
(第2版について)
レビューにいただいたご意見を参考に以下の点を追加修正しました。(第1版をご購入の方は、アマゾンに申請することにより、無料で新しい版に切り替えることができます。)
1、作品の追加
第四章の最後に、震災関連の以下の作品を追加しました。
津浪と人間
石油ランプ
震災日記より
2、見出しの工夫
Kindleの移動メニューから直接作品に飛べるように見出しを工夫しました。
(寺田寅彦について)
寺田寅彦は、一七七八年(明治十一年)、東京に生まれました。四歳の時に高知市に転居します。一八九六年に熊本の第五高等学校に入学し英語教師夏目漱石、物理学教師田丸卓郎と出会い、深甚な影響を受けます。九十九年には東京帝国大学理科大学に入学し、田中館愛橘や長岡半太郎の教えを受けます。
漱石の「吾輩は猫である」の水島寒月や「三四郎」の野々宮宗八は、寺田がモデルだと言われています。
物理学の分野では、一九一三年に「X線の結晶透過」についての発表を行い、その業績により一九一七年に帝国学士院恩賜賞を受賞しています。
また、自然科学者でありながら、漱石の影響などもあり文学など自然科学以外の事柄にも造詣が深く、科学と文学を調和させた随筆を多く残しています。
「天災は忘れた頃にやってくる」は寺田寅彦の言葉といわれています。
寺田寅彦が試みた随筆を通じての様々な学問領域の融合は、現代では特に大きな意味を持ち、再評価の機運が高まって来ています。
(この本について)
この本には以下のように、寺田寅彦の随筆131編と、寺田の弟子で優れた科学者であった中谷宇吉郎が寺田寅彦について書いた随筆4編と、「古寺巡礼」や『風土」などの著作で有名な哲学者和辻哲郎が書いた随筆を2編収めました。
第一章、自然と生物 18編
どんぐり
竜舌蘭
花物語
芝刈り
球根
簔虫と蜘蛛
ねずみと猫
子猫
解かれた象
からすうりの花と蛾
藤の実
とんびと油揚
あひると猿
日本人の自然観
池
路傍の草
小浅間
小爆発二件
第二章、科学について 30編
アインシュタイン
アインシュタインの教育観
科学者と芸術家
物理学と感覚
相対性原理側面観
怪異考
比較言語学における統計的研究法の可能性について
化け物の進化
ルクレチウスと科学
火山の名について
日常身辺の物理的諸問題
量的と質的と統計的と
物理学圏外の物理的現象
ロプ・ノールその他
鐘に釁《ちぬ》る
自然界の縞模様
物質群として見た動物群
感覚と科学
鎖骨
神話と地球物理学
科学と文学
科学者とあたま
人魂の一つの場合
疑問と空想
時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ
茶わんの湯
数学と語学
蒸発皿
試験管
北氷洋の氷の割れる音
第三章、文学・芸術について 21編
自画像
写生紀行
蓄音機
笑い
浮世絵の曲線
伊吹山の句について
俳句の型式とその進化
俳句の精神
俳諧の本質的概論
連句雑俎
詩と官能
読書の今昔
日本楽器の名称
カメラをさげて
手首の問題
生ける人形
先生への通信
夏目漱石先生の追憶
夏目先生の俳句と漢詩
埋もれた漱石伝記資料
小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」
第四章、映画について 14編
映画雑感(1)
映画雑感(2)
映画雑感(3)
映画雑感(4)
映画雑感(5)
映画雑感(6)
映画雑感(7)
映画と生理
映画「マルガ」に現われた動物の闘争
映画時代
映画の世界像
映画芸術
音楽的映画としての ラヴ・ミ・トゥナイト
踊る線条
第五章、その他の随筆 48編
旅日記から
病院の夜明けの物音
病室の花
丸善と三越
春寒
春六題
田園雑感
案内者
断水の日
三斜晶系
亮の追憶
一つの思考実験
電車の混雑について
二十四年前
備忘録
LIBER STUDIORUM
時事雑感
青衣童女像
ラジオ・モンタージュ
青磁のモンタージュ
田丸先生の追憶
火事教育
ニュース映画と新聞記事
銀座アルプス
コーヒー哲学序説
空想日録
記録狂時代
涼味数題
錯覚数題
沓掛より
さるかに合戦と桃太郎
思い出草
ジャーナリズム雑感
函館の大火について
庭の追憶
藤棚の陰から
地図をながめて
破片
天災と国防
物売りの声
自由画稿
B教授の死
災難雑稿
糸車
海水浴
津浪と人間
石油ランプ
震災日記より
(付録)6編
中谷 宇吉郎 寺田先生と銀座
中谷 宇吉郎 寺田先生の追憶
中谷 宇吉郎 指導者としての寺田先生
中谷 宇吉郎 天災は忘れた頃来る
和辻哲郎 寺田寅彦
和辻哲郎 寺田さんに最後に逢った時
(古典教養文庫について)
古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。
1、古典として価値あるものだけを
これまで長く残って来たもの、これから長く読み継がれていくものだけを選んで出版します。
2、読みやすいレイアウト
文章のまとまりを、適切な改ページで区切って、Kindleはもちろん、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、iPadなどのタブレットでの読書に最適化しました。また、詩の一編一編など、小見出しにも索引を付けましたので、目次から直接アクセスできます。
青空文庫をベースとしている場合も、適切に処理してありますので、そのまま青空文庫の物をダウンロードして読むよりも格段に読みやすくなっています。
3、美しい表紙
プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。書籍と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。
4、スピーディーな改版
紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。
5、手に入れやすい価格
「価値ある古典こそ低価格で」のモットーから、古典教養文庫は、一番高い物で300円で、そのほとんどが100円となっています。