もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら
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小泉ジュニアを主人公とする近未来政治マンガ。危機は2015年に起きる。
主民党は2011年に起きた東日本大震災への対応のまずさによって国民の信頼を失い、2013年の総選挙で敗北。民自党が政権を奪還したが、巨額の政府赤字を抱えて財政再建は一向に進まず、2015年、国債が大量に売れ残る「札割れ」が起きる。
山垣首相は「財政非常事態」を宣言し、売れ残った国債はすべて日本銀行に引き受けさせた。しかし、この日銀引き受けが「財政破綻」のシグナルを市場に送ることになり、邦銀が一斉に国債売却に走った。
長い間デフレが続いていた日本経済は一転、急速なインフレに突入していく。外資系ファンドは大規模な空売りを仕掛け、国債価格は暴落、長期金利は跳ね上がった。インフレを怖れた消費者の買占めや、金融機関への取り付けが相次いだ。この非常事態に行われた民自党総裁選で、山垣が後継指名した岩原信輝を僅差で破って小泉進次郎が次期総裁に就任した。
小泉は、サッチャー英国元首相が保守党党首に就任した際、ハイエクの『自由の条件』をブリーフケースから取り出したのにあやかって、ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』をテレビカメラの前で掲げた。フリードマンが主張した農業補助金の廃止から負の所得税までの政策を「10の約束」として打ち出した。
『資本主義と自由』が出版されたのは1962年。2012年でちょうど半世紀となるが、その内容は今でも驚くほど新鮮だ。
小泉首相は国家公務員の人件費大幅削減、社会保障、公的年金の抜本的見直しなどを掲げて正面突破を図るが、国家公務員の労組はゼネストで対抗。国会は混乱し、世情は騒然とした状況になっていく。
池田信夫の有料メールマガジンで連載して好評だった近未来フィクションを若手漫画家の藤咲ユイが劇画化した。