最高のポートレート
★★★★★
文化人を撮った写真集だが、その性格描写といい気迫といい全く脱帽させられる写真ばかりです。
なかには本人の葬儀の遺影に使ってもらえたという縁もあったとのことで、強面で気難しい文化人の多いなかで普通の写真家にはない交流の濃さも際だっています。
実際にかなり接写状態でパチリと撮ったものも多いとかで、そのギリギリの緊張感漂う威厳に触れることができる写真集です。
手法としては現代性のないベーシックなものの、モノクロの美しい階調表現も相まって、かえって普遍的なポートレートになっているように思います。