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病の神様―横尾忠則の超・病気克服術 (文春文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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デリケートな方なのだろう。 ★★★★☆
横尾さんは幼い頃、とても病弱だったと言う。今、活躍されている横尾さんのバイタリティあふれる姿を見ていると、とても元気そうに見えるのだが、この本を読むと大人になってからも驚くほど病気や怪我をされている。10年に一度事故にあって入院をするというのはお気の毒だが、その他の怪我を見ていると、忙しさの中での不注意で引き起こされているものが多い。そして、症状は目に見えるほど劇的に現れているのだが、治るときも劇的なのが不思議だ。何かのきっかけでころりと治ってしまう。

読んでいて感じたのは、これは治癒能力や奇跡ではなくて、元々の症状がメンタルが引き起こしているものではないか、ということだ。だが、それにしても現れ方が劇的すぎる。医師が切断しかないと言った両足の壊死寸前状態がエキセントリックな鍼灸あんまの先生の治療で完治した、高熱が下がらないままヨーロッパに行き、飛行機を降り立った瞬間に熱が下がった・・・・・・。こういった奇跡のような話がたくさん書かれているのだ。芸術家であるがゆえの感性の細やかさも原因なのかもしれない。本当にこれだけの症状が常時あったら、仕事どころではないはずだからだ。

自分を振り返り、「あまり症状には捕らわれないようにしよう」と思わせてくれた本だった。
ストレスをやっつけろ! ★★★★★
ストレスを感じたことがありますか。
部長が嫌なヤツで、とか、女房がうるさくて、とか、子どもの受験が気になって、とか。

ストレスにはいろいろあります。
ストレスによって、体調が悪くなったり、病気になっちゃったり。

でも、多くの人は「ストレス」を誤解しているんですよ。
嫌な部長、うるさい女房、出来の悪い子どもがストレスなのではありません。
確かにこれらはストレスの原因ではある。

ところが、嫌な部長の部下でも、うるさい女房の亭主でも、出来の悪い子どもの親でも、ストレスを感じないでぴんぴんしている人もいます。
この違いは何なのでしょうか。

ストレスの原因は「ストレッサー」と呼びます。
それに対して「ストレス」は、その人自身の<ひずみ・ゆがみ>なのです。

元々ストレスという言葉は、物理学からのアナロジーでした。
ある物体に一定の力を加えます。
その時、物体の性質によってひずみ方、ゆがみ方は違います。
スポンジのように柔らかい物体だと、大きく変形します。
鉄のような固い物体ならほとんど変形しない。
ところが鉄も内部の状態を計測してみると、けっこうひずんでいたりします。

同じように人間も、同じ強さのストレッサーを受けても、人によってストレスの受け方が違うのです。
それはストレッサーの強さよりも、その人自身の体や心の違いによるものだと言っていい。

横尾忠則「病の神様」にこんなことが書いてありました。

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最近は原因不明の病気に悩まされている人が多い。
ぼくも原因不明の熱が何ヶ月も続くことがある。
結果があるわけだから原因はあるに決まっているはずだ。
それなのに病名がない。
わからん病気はストレスといって、片付けられてしまう。
ストレスだって原因がないということはない。
ストレスを作る原因はたいていが自分の想いに反した思考や行動を起こしている場合だ。
自分が思っている「自分」が本当の自分だと思っているところに、まず問題がありそうだ。
ストレスを作っている要因はだいたい自我というやっかいな存在である。
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そうなんです。
ストレスを感じる時というのは、たいていが「自分の思うとおりにならないとき」なんです。
仕事でがんばっていてもっと認めてもらいたいと思っているのに、部長からがみがみ言われるから、ストレスを感じる。
家庭でリラックスしたいのに、女房にぐちぐち言われるから、ストレスを感じる。
息子に一流大学に合格して欲しいのに、遊んでばっかりいてちっとも勉強しないので、ストレスを感じる。
つまり、自分の欲するところと周りの状況が違うわけです。

しかしそれは、周りの状況の方が悪いのでしょうか。
もしかしたら、部長が求める仕事を自分がしていないのかもしれません。
もしかしたら、女房がして欲しいことを自分はちっともしていないのかもしれません。
もしかしたら、子どもは親とは違う夢を持っているのかもしれません。

つまり、悪いのは周りの方ではなくて、ゆがんでいるのは自分なのかもしれないと考えてみる。
それなのに勝手にストレスを感じていたように考えてみるんです。
すると、ゆがんでいたのは自分の方だったと分かるかもしれません。
自分のゆがみだと気づいてしまえれば、ストレスもすーっと軽くなってしまう。

確かに周りの方が悪いこともありますよ。
その場合は闘わなくちゃならないときもある。
そもそもストレスは、本当に闘わなくちゃならないときに、精神と肉体を緊張状態に持っていくために自然に備わった機能なんです。
それをのべつ幕なし必要もないことにも感じちゃうから、ストレスにやられちゃうんです。
でも本当に闘わなくちゃならない時なんて、めったにないんですよね。
大事なストレス、本当に闘わなくちゃならないときのために温存しておいた方がいいんです。

ところで、ストレスに打ち勝つためにどんな訓練をすればいいか。
ぼくはやっぱり「勉強する」ことだと思っているし、実践しています。
勉強すると、何が正しくて何が間違っているのかがよく「みえる」ようになるんです。

自分が正しいのか悪いのかどうかも判断できる理性が身に付く。
理不尽な目にあっても、それが理不尽だと分かるだけでもストレスは軽くなります。
自分が間違っていたら、変に我を張らずに素直に直すことができる。
感情に振り回されることがなくなるんですよ。
そうすると、ストレスを適切にコントロールできるようになり、穏やかに生きられます。
まー、ぼくもまだ道半ばなんで、えらそうなことは言えないんですけどねー。
病の神様とのつきあい方 ★★★★★
横尾忠則が幼い頃から虚弱体質で、デザインの仕事を始めてから10年
ごとに事故にあい、入院しているとは知りませんでした。そのほかにも
持病がたくさん。

あの作風からは、そんな弱い横尾忠則は想像できません。

入院生活を楽しみ、どうせなら「休業宣言」をして世の中から消えてし
まおうという発想。さらに西洋医学では治らなかったり、手術を勧めら
れたのに断わり、神様のような鍼灸あんまの先生が治してしまったり。

発想も出来事もおもしろいけれど、彼の文章もそこはかとなくおかしみ
が漂い、ケラケラ笑ってしまった。

私も入院したとき、すごく楽しかったんですよね。

看護学校の実習で、2週間、一人の女子学生さんがメンドウを見てくれ
たり。
手術後動けないときに、看護婦志望の女子高校生が髪を洗ってくれたり。
入学前の看護体験のひとつだそうです。
隣のベッドの女の子の脱出&自殺騒動があったり。あ、これは今だから
笑っていえますが。

イベント盛りだくさんでした。

横尾忠則が、入院中に描いた絵の題名は「交感神経と副交感神経の
結婚」。原因不明の疲労感と発熱のために入院していたのですが、原因
は交感神経と副交感神経のバランスが崩れたためでした。だからこんな
絵が描けたのだそうです。

いいタイトルだな〜。

でも絵はコレクターの手に渡ってしまい、見られないそうです。

そのほか、心と体と気の問題、病気を愛してしまうこと、悪相など、彼
独特の哲学でおもしろいし、真実をついていると思います。

横尾さんも病気、いっぱい経験しているのですね!凄く共感できました! ★★★★★
今年4月に初めて入院をしまして…大きな病院だったので外へ出られるようになってからは失礼ながら「こんなに弱ったお婆ちゃんが点滴引きずりながら頑張っているんだ」とか「可愛い赤ちゃんなのに…まあ大変な高熱で」とか、自分のことよりも病院で生きている他の人たちの姿に驚き、逆に励まされ、そして健康が一番と感じるようになりました。

そんな時出会った本が横尾忠則さんの「病の神様」でした。まあ様々なご病気を持っていらっしゃってそれにびっくりでしたが中でも「喘息」のページに目が止まりました。僕も今年の冬に喘息デビューしてしまったものですから。本著で「少しでも気を抜くと病魔が待ち伏せしている。リラックスが大事だと言いながらも、生きるためには緊張も必要なのである。」その通りだと思いました。いろんな感受性から病を捉えている本です。一読を!