ラ抜き言葉の背景がわかる
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第1章で、いわゆる「ラ抜きことば」の使用が広がった理由が、その歴史的背景や地域方言との関わりから書かれているが、これほど平易で分かりやすい解説に出会ったのは始めてだ。ラ抜きことばというものが、動詞の活用体系の明晰化・単純化の方向へ変化するプロセスだということがよく理解できた。また、最近になって使われるようになった新方言について、多くの統計や方言地図を用いて分かりやすく説明されていて、テレビの普及以降ことばの共通語化の動きが強くなっているにしても、新たな方言は続々と生まれており、ことばの地域差はこれからもなくならないということを教えられた。
現代の日本語の基礎
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現代の日本の方言を中心に考えながら、今後の日本語の方向をわかりやすく考察した一冊である。
興味深いトピックを扱っている
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日本語方言の研究者である著者が、日本語の中で、
最近気になる文法や単語、表現を取り上げ、その発生に
まつわることについて(場所、時代、広がり方、今後の
展望等)を書いた本。
「〜じゃん」やら抜きことば、平板アクセント、「チョー」
といった若者の間の副詞強調表現など、本書の中で触れられ
ているトピックが興味深いものばかりであるのがうれしい。
読んだ上で態度を決めましょう。
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いわゆる「ら抜き言葉」や「半疑問調」。それだけを切り取って「日本語が乱れている!」と断じるのは間違っています。著者は社会言語学、経済言語学の立場から、「ら抜き」がどのように伝播したのか、省略語調の経済性、方言が共通語や別の地域に与えた影響などを通して、日本語を文字通り「ウォッチング」しています。「ら抜きも良いのかな、言葉は生き物だし」「それでもら抜きは間違っている!」どちらの意見でも、決めるのはこの本を読んでからですよ~~!。