ジュニア新書は社会人向けよりレベルが高い
★★★★☆
ジュニアには広い未来があり、これをどう開拓するかとても大事です。
中学生、高校生は脳の働きが一番良いときで、それだけに
分野によっては社会人より優れた知識、能力を持っています。
ですから、この本はレベルを手加減していません。
年代測定にあたっての放射性同位元素の話、質量分析器、
ガスクロマトグラフィー、食物、植物学などに言及していますので、単元ごとに筆者が変わり
学際的です。
これらの分析手法を複合的に組み合わせて、
どのような地域で、どのような年代に、どのような物が食べられていたか等を説明しています。
漆の話も興味がわきます、漆の乾燥は除湿でなはく、
ウルシオールという成分をラッカーゼという酵素で酸化させて硬化させるので、
湿度の高い、空気の動かない室で行う必要があるのです。
漆を英語でジャパニーズと言いますが、生漆が中国、台湾、ベトナムなどから近世は輸入されていたようです。
ジュニア新書は将来を切り開く若者向けに書いてありますから良質なものが多いと感じます。