『The Hours』は、3人の女性の物語。1923年、ロンドン郊外で夫と療養中のヴァージニア・ウルフは、『ダロウェイ夫人』の執筆を始めていた。1949年、ロサンゼルス郊外で、完璧な家庭に息が詰まりそうになっていた主婦ローラ・ブラウンが、『ダロウェイ夫人』に衝撃を受け、人生を変えたいと思い始めていた。そして、現代のニューヨークでは、クラリッサ・ヴォーンが、エイズに犯された詩人の恋人のためにパーティを開こうとしていた…。
物語の終焉で、この3つの物語は見事に絡み合い、ひとつになる。その繊細で美しいエンディングは、いつまでも心に残るだろう。
読み終わって(観終わって)考えてみると、最後だけ重なり合ってるというわけではなくて、最初から異なる3人の女性が1本の糸で微妙に結びついてると気づかされました。
著者はバージニア・ウルフに敬意を証する意味でこの小説を書いたのだろうけれど、ここまですばらしく書き上げたことに驚かされます。複雑な登場人物と状況の描写、そしてさまざまな感情が至るところに溢れ出て小説の深さを感じさせられます。
バージニア・ウルフの"Mrs. Dalloway"はまだ読んだことがないので、これから挑戦したいと思います。