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The Hours

価格: ¥1,121
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Fourth Estate Ltd
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   ピューリッツァー賞受賞作品が、メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア、ニコール・キッドマン出演、スティーブン・ダルドリー監督、デヴィッド・ヘア脚本で映画化された。

 『The Hours』は、3人の女性の物語。1923年、ロンドン郊外で夫と療養中のヴァージニア・ウルフは、『ダロウェイ夫人』の執筆を始めていた。1949年、ロサンゼルス郊外で、完璧な家庭に息が詰まりそうになっていた主婦ローラ・ブラウンが、『ダロウェイ夫人』に衝撃を受け、人生を変えたいと思い始めていた。そして、現代のニューヨークでは、クラリッサ・ヴォーンが、エイズに犯された詩人の恋人のためにパーティを開こうとしていた…。

   物語の終焉で、この3つの物語は見事に絡み合い、ひとつになる。その繊細で美しいエンディングは、いつまでも心に残るだろう。

先に映画を観て後悔 ★★★★★
原作を読みたいと思っていたのに、偶然に映画を観る機会があって、映画を先に観てしまいました。メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア、ニコール・キッドマンの演技がすばらしい作品でした。(ふつう映画化されると残念な結果が多いけれど。)そして3人の女性の物語が絡み合うエンディングには圧倒されてしまいました。

読み終わって(観終わって)考えてみると、最後だけ重なり合ってるというわけではなくて、最初から異なる3人の女性が1本の糸で微妙に結びついてると気づかされました。

著者はバージニア・ウルフに敬意を証する意味でこの小説を書いたのだろうけれど、ここまですばらしく書き上げたことに驚かされます。複雑な登場人物と状況の描写、そしてさまざまな感情が至るところに溢れ出て小説の深さを感じさせられます。

バージニア・ウルフの"Mrs. Dalloway"はまだ読んだことがないので、これから挑戦したいと思います。

現代文学の傑作 ★★★★★
異なる時代の3人の女性の物語が重なり合うというのは、聞き飽きたレヴュー。その「重なり」かたはまるで予測もし得なかった。作者自身ヴァージニア・ウルフが大好きなのであろう。そのリスペクトをこうした作品で表現したのはとてもすばらしい。小難しい話は一切抜きで、古典名作と現代の文学が一つになった、力のみなぎる作品。賛辞を送るべきは映画の出来より、この原作にでしょう!
ヴァージニア・ウルフが好きな方に ★★★★★
ピュリッツァー賞受賞という言葉につられて読んでみた.時制は全て現在形で,初級英語の私でも楽しめる平易な文章,映画を見ているかのように情景がありありと目前に浮かんでくる.冒頭から美しく,息をのむ展開.ヴァージニアが水の中を漂う姿はラファエロ前派のミレー「オフェリア」を思わせる.Mrs Woolf, Mrs Dalloway, Mrs Brownという,V・ウルフというキーワード以外は時間も場所も異なる3つのストーリーが,適度なリズムで交錯しながら,世界にうまく適応できない不器用な心を描いてゆく.そして迎える結末には感動した.入園前の幼児を持つ私には胸をしめつけられる思いでした.