本当に他に類を見ない研究入門
★★★★★
・西條先生の講義はしゃべり口が軽い感じであり、説明が最小限なので
自分自身で実践してみる場合にはよくよく考えてみる必要はあるけど、
非常に本質を突いていると感じさせられる.
・講義の口調は「質的研究とは何か」という別の教科書に載っている感じ
そのまま.
・世間には類書(テーマも内容も似たような本)が溢れ返っており、いわゆる
研究入門の類もそうだと思う.それに対し、本書は正真正銘、他に類をみない
入門である.ただ、自分も医学界新聞の掲載を読んでいたり、講習会で著者の
講義を聴いた経験があるのでよく分かったが、全く初めての人はあっけに取ら
れてしまうかもしれない.
・西條氏の提唱した「構造構成主義」というメタ理論が背景にあるためと思われ
るが、「構造構成主義とは何か」を読むとさらによく分からなくなると思う.
言語活動を基盤においた社会の諸活動においては、信念対立、正しさの呪いと
いう絶対性が常にあり、これを解消する立場に立ち議論をしていくことで建設
的な解決の方向に進むことができるというものだ.
・臨床現場をベースとしている研究者に対して、権威や従来の常識に囚われたり、
やり込められることなく、自らが臨床で経験したり疑問に感じたことを、新たな
ミニ理論として世に出し、他の臨床家の役に立つ発展に帰するために、上手く
科学性を担保し説得力を持たせる研究をするためにとても役に立つ本である.
・著者の他の書籍を読むにも入門として役立つ.
看護研究とタイトルに付いているが、保健医療福祉教育領域の専門職全てにお奨め.
とても分かりやすいです
★★★★★
超入門というタイトルですが、大学院レベルに必要とされるスキルを学ぶことができると思いました。
おすすめです。
研究に関わる様々な領域で必読の1冊
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医学書院の週刊医学界新聞での連載記事『研究以前のモンダイ』をパワーアップさせた内容であり,既に改訂版とも言える進歩を示していて,記事を既読の方にも,復習の価値があります.
タイトルは『看護研究で迷わない…』とありますが,コメディカル,医療/医学のみならず,研究に関わる,あるいはこれを指導する様々な領域の方々に必読の内容です.大学生の頃にこの本に出会っていたら,どんなによかったろうと残念に思います.
研究に欠かせない,科学的な態度,そして言葉や認識に対する考え方など,この1冊で大学院教育の基本的な教養を身につけることが出来ます.
この1冊が,とりあえずは,医療における研究者に新たな風を起こしてくれることを期待して止みません.