デューク・エリントン生誕100周年に捧げた「デューク・エレガント」に続く、オリジナル・アルバム。さまざまな人種と文化が交錯する港町、ニューオリンズで生まれ育った彼の音楽性が単一でないことは広く知られるところ。本作もR&B、ロック、ジャズ、ファンクなどの要素が溶け合ったアルバムである。また同時に奇をてらったところのない、安心して聴ける作品でもある。特にベテランゆえの、程よく力の抜けた歌唱には終始引き込まれる。
   いたってオーソドックスなスタイルの楽曲が集められた本作だが、決して泥臭さや古くささを感じさせることはない。むしろ都会的な洗礼された印象が強いアルバムだ。白眉は<6><9><12>。（高山武樹）