武士道 三笠書房 電子書籍
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いま人は何を考え、どう生きればいいのか。
・「勇」――いかにして肚を錬磨するか
・「仁」――人の上に立つ条件とは何か
・「礼」――人とともに喜び、人とともに泣けるか
・「誠」――なぜ「武士に二言はない」のか
・「名誉」――苦痛と試練に耐えるために
本書は、強靱な精神力を生んだ武士道の本質を見事に解き明かしている。
武士は何を学び、どう己を磨いたか。日本人の精神の基盤がここにある。英文で書かれ、欧米人に大反響を巻き起こした最高の名著が、新装版で登場!
■目 次
●第一章 武士道とは何か
人の道を照らしつづける武士道の光
武士道は「騎士道の規律」である
人びとの心に刻みこまれた掟
壮大な倫理体系のかなめの石
●第二章 武士道の源をさぐる
仏教と神道が武士道に与えたもの
武士道の源泉は孔子の教えにあり
武士道は知識のための知識を軽視する
武士道の基本原理とは何か
●第三章 「義」──武士道の光り輝く最高の支柱
「義」は「勇」と並ぶ武士道の双生児である
「正義の道理」こそ無条件の絶対命令
●第四章 「勇」──いかにして肚を錬磨するか
「義を見てせざるは勇なきなり」
平静さに裏打ちされた勇気
●第五章 「仁」──人の上に立つ条件とは何か
民を治める者の必要条件は「仁」にあり
徳と絶対権力との関係
「武士の情け」に内在する仁
いつでも失わぬ他者への哀れみの心
●第六章 「礼」──人とともに喜び、人とともに泣けるか
礼とは他人に対する思いやりを表現すること
礼を守るための道徳的な訓練
優雅な作法は力を内に蓄えさせる
礼儀は優美な感受性として表われる
●第七章 「誠」──なぜ「武士に二言はない」のか?
真のサムライは「誠」に高い敬意を払う
武士道と商人道とは何が違うか
誠とは実益のある徳行
●第八章 「名誉」──苦痛と試練に耐えるために
不名誉はその人を大きく育てる
武士道はなぜ忍耐強さの極致に達したのか
名誉はこの世で「最高の善」である
●第九章 「忠義」──人は何のために死ねるか
日本人の忠義とはいったい何か
命令に対する絶対的な従順が存在した
武士道では個人よりも国を重んじる
サムライの真の「忠義」はここにある!
●第十章 武士は何を学び、どう己を磨いたか
行動するサムライが追及した「品性」とは何か
武士道は損得勘定をとらない
武士道は無償、無報酬の実践のみを信じる
●第十一章 人に勝ち、己に克つために
サムライは、感情を顔に出すべからず
なぜ「寡黙」がよしとされるのか
心を安らかに保つために
●第十二章 「切腹」──生きる勇気、死ぬ勇気
腹切りの“ハラ”は何を意味するか
切腹は一つの法制度、儀式典礼である
切腹はどう行なわれたか
武士道における生きる勇気と死ぬ勇気
「四十七士」の仇討ちにみる二つの判断
かくして「刀は武士の魂」となった
●第十三章 「刀」──なぜ武士の魂なのか
刀は忠誠と名誉の象徴
鍛冶は重要な宗教的行為だった
武人の究極の理想は平和である
●第十四章 武士道が求めた女性の理想像
家庭的であれ、そして女傑でもあれ
女性に求められる立居振舞い
妻女の務めとは何か
自己否定なくしては「内助」の功はありえない
サムライ階級の女性の地位について
家庭において重んじられた女性
●第十五章 「大和魂」──いかにして日本人の心となったか
一般大衆を引きつけた武士道の徳目
サムライは民族全体の「美しき理想」
「エリート」の栄光、憧れ、そして「大和魂」へ
サクラは「大和魂」の典型
●第十六章 武士道は甦(よみがえ)るか
武士道は日本の活動精神、そして推進力である
自己の名誉心、これが日本の発展の原動力
日本人以上に忠誠で愛国的な国民は存在しない
武士道による無言の感化
●第十七章 武士道の遺産から何を学ぶか
武士道はその姿を消す運命にあるのか
名誉、勇気、そして武徳のすぐれた遺産を守れ
不死鳥はみずからの灰の中より甦る
武士道は不滅の教訓である
■著者 新渡戸 稲造