シップかんたん自律神経健康法
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本書は、現代医学でどうしても改善しない自律神経症状に対して、湿布をもちいて症状を軽快させる方法を説いたものです。
湿布を特定のポイントにすると自律神経症状が軽快することを発見しました。代表的な湿布療法は小指湿布です。小指以外にも、体には自律神経と関係するポイントが数か所あり、そこへ湿布をすると症状が軽快することを、その後の研究で見出しました。合計七つの湿布療法を見出しましたが、それぞれ特有の効果があることがわかりした。
さまざまなストレスが人々の健康を損ない、知らず知らずのうちに自律神経をはじめ、健康を障害しています。また、運動する機会も減ってきており、運動不足や不摂生も自律神経をはじめ健康に悪影響を与えています。本書は、七つの湿布を駆使して、自律神経を安定させ、自律神経疾患で困っている方を健康に導く方法を解説したものです。本書により、少しでもストレスが解消されれば幸いです。
■自律神経疾患について
自律神経には、活動的に作用する交感神経と安らぎをもたらす副交感神経があります。ストレスなどにより、この両神経のバランスが崩れた状態が自律神経疾患です。
自律神経が関与する病気は、非常に多くあります。めまい、頭痛、肩こり、不整脈、過喚起症候群、過敏性大腸症候群、狭心症、パニック症候群、うつ病など、非常に多彩です。体のありとあらゆる場所に自律神経ははりめぐらされており、それゆえどの臓器の病気でも自律神経症状は出現するのです。狭心症やめまいでも、自律神経が関与する場合があります。それゆえ、病気が自律神経に関与するものか、あるいは臓器自身に起因するものか、区別する必要があります。それには、テクノロジーの進歩による現代医学を利用し、臓器自体の疾患を除外すればいいのです。
例えば、よくみられる頭痛ですが、いろいろな原因でおこります。経験をつめば、問診と診察でほとんど診断はつくのですが、一〇〇%診断するためには、CT,MRなどの検査をしなければなりません。つまり、脳腫瘍などの自律神経以外の疾患を除外するために、MR、CTなどのテクノロジーの進歩による検査をすればいいのです。自律神経に関する検査はめざましく進歩していないのが現状です。
■自律神経疾患は背中、頚部、腕で診察する
病院へ行くと、病気は体の前面を中心に診察されます。それに対して、自律神経疾患は背中、頚部、腕で診察します。背中、頚部、腕で診察すると聞くと、驚かれる方も多いと思いますが無理もありません。西洋医学は自律神経疾患に対して不十分であり、病院にいっても完全には診断・治療ができないのです。
バック・ホムンクルス:これは、背中の小人という意味です。これは、背筋にはその幅狭い中に、顔以外の全身の臓器と一対一に対応する領域があることを示しています。例えば、喘息や過喚起症候群の患者さんは、発作中、右肩甲骨内側の背筋が非常にこっており、症状の回復とともにこった背筋が柔らかくなり、ここが呼吸(肺)に関係する場所(バック・ホムンクルス)ということになります。また、狭心症の患者さんは、発作時、左肩甲骨内側の背筋が非常にこっており、症状の回復とともにこった背筋は柔らかくなり、ここが心臓に関係する場所(バック・ホムンクルス)ということがわかります。それゆえ、触診による背筋のこりを見分ける訓練が必要です。
ネック・ホムンクルス:これは、首の小人という意味です。首筋には左右にそれぞれに、眼、鼻、歯など顔の臓器と一対一に対応する領域があることを示しています。例えば、右眼に関係する症状を持つ患者さんは右首筋中央部にこりが認められ、左歯に関する症状をもっている患者さんは左首筋下部のこりを呈し、症状の回復とともに、それらの部位のこりは柔らかくなります。それゆえ、触診による、首筋のこりを見分ける訓練が必要です。
アーム・ホムンクルス:これは、腕の小人という意味です。首筋にあるネック・ホムンクルスと同様に、腕にも眼、鼻、歯など顔の臓器と一対一に対応する領域があることを見出し、アーム・ホムンクルスと名付けました。例えば、鼻の症状のある方は、上腕の中央にこりがあり、指で押さえると痛みを感じるはずです。症状の回復とともに、その部位のこりは柔らかくなりますから、ここが、鼻のアーム・ホムンクルスになります。それゆえ、顔の臓器と対応するポイントは首筋と腕の二箇所にあることになります。
■湿布療法の効果は絶大
一般に、湿布は痛い所や筋肉のこっている場所に貼るのが普通です。これに対して、本書で紹介する湿布療法は、ある場所に湿布を貼って他の部位に効果があり、あるいは、全身の自律神経を安定化させる作用があります。現在このような湿布を七つ考案しております。おのおのの湿布療法の効果は異なりますから、症状により使い分ければいいのです。
①小指湿布
小指湿布は偶然発見したものです。私の息子がテニス肘になった時、試しに小指一面に湿布をしたところ、肘の痛みが速やかに軽快しました。その後、さまざまな自律神経疾患の患者さんに試したところ、著明な効果が認められ、小指湿布の研究をはじめました。はじめ湿布は小指全体と小指の延長上の手の甲と手の平一面に貼っていましたが、実際どこの部分に効果があるのか調べるため、連日研究をしました。結局、小指の第一関節と第二関節の間(手の平側)に有効点があることがわかりました。小指湿布は首筋の緊張をとり、交感神経の緊張を和らげるのが主な作用です。小指湿布はパーキンソン病の運動障害にも効果がみられ、海外の神経リハビリ専門誌に掲載されました。
②肘湿布
小指湿布の効果があまりみられない方に対して考案した湿布です。多分、小指の筋肉
が硬くなりすぎているために効果がでないものと考えられます。友人がテニスのスウィングがうまくできないというのです。スウィングは首筋が柔らかくないとうまくできませんが、友達の肘の内側が硬くなっていたのを思い出しました。肘の内側が硬い→首筋が硬いはず。このヒントにより、肘の内側に湿布をはると、小指湿布と同じ効果があることがわかりました。昼間などでは、手洗いをせねばなりませんから、昼間は肘湿布、夜は小指湿布と使い分けるのもいいと思います。
③膝裏湿布
もともと、変形性膝関節症の患者さんでは、膝裏の内側上部にある半膜様筋と半腱様筋が非常に硬くなっており、そこに湿布を貼ると関節痛が軽快し楽に歩けるようになることは経験上知っていました。たまたま、うつ病の患者さんに、右の膝裏湿布を行ったところ、五分ほどで元気になられたのをきっかけに膝裏湿布の研究をはじめました。膝裏湿布は同側の腰のこりを和らげる作用がありますから、腰湿布の作用を増強させることがわかりました。膝裏湿布がパーキンソン病の歩行障害や脳梗塞の麻痺にも効果があることがわかり、海外の神経リハビリ専門誌に掲載されました。
④腰湿布
一般的に肩がこると、こっている場所に湿布を貼ります。貼っているときは、気持ちがよく効果がみられますが、貼らないとまたこった感じが起こります。これは、こりが治っていないからです。肩のこりは、腰のこりと関係しており、腰のこりを治さないと肩のこりは治りません。右肩がこっておれば、右の腰に湿布を貼ってください。また、腰湿布は背筋を緩め、バック・ホムンクルスの緊張を和らげることにより内臓の症状に効果を示します。長期の腰のこりは、同側の膝裏の内側上部にある半膜様筋と半腱様筋のこりを起こしますから、膝裏湿布をすると腰のこりもよくなります。腰湿布と膝裏湿布は併用すると効果が倍増します。
⑤足小指湿布
足小指湿布は、私がテニスの試合後、左足の外側が痛くなったとき、足の外側に細い湿布を貼ったところ、痛みが軽快したのがきっかけです。おかげで、その日の次の試合もすることが出来ました。下肢の痛みや、歩行障害の患者さんに足小指湿布を試してみたところ、症状が軽快したのです。下肢に症状のある方に効果がある湿布です。
⑥脇湿布
脇湿布は肩が非常にこっている患者さんでは、脇の下にある大円筋が非常にこっていることに気付いたのが始まりです。この筋肉は上腕骨を内旋(腕を一本の軸と考え、軸を中心にして内側へ回転する運動)する筋肉ですが、ここに湿布をはると首の痛みや運動障害が即効性に軽快します。首の症状で悩んでいる方に効果のある湿布です。
⑦手湿布
私自身が五十肩になった時ですが、なかなか改善しないため、いい方法はないかと考えているうちにこの湿布を考案し効果がみられました。肩の症状で困っている方に有効です。