オージー・サーファーたちの光と影
★★★★★
この小説は、作者が他の小説を書いているうちにゆきづまり、手慰みに書き始めたものがこのストーリーになっていったというものだそうです。長さも文体も読みやすいので、Tim Wintonを初めて読む人にはぴったりの作品。 彼はほんとにオージーっぽい、いい意味でふつうの感覚をもっている人で、だからこそオーストラリアでは老若男女を問わず人気のある作家なんだと思います。
この小説では、サーフィンにのめりこむ10代の少年たちを通して、オーストラリアの明るさと暗さがよく描かれています。話の舞台で作者の住む場所でもある西オーストラリア州は、夏は暑く乾燥し、冬に雨が多い気候だそうで、その対照的なイメージがストーリーのあちこちに感じられます。