口語体で書かれたコンメンタール
★★★★★
著作権法に関する書物は、理論的体系的な基本書と、「コンテンツ産業の実践書」という両極端に分かれているような気がする。
前者は、専門家向けであり、難解であって、実践に役立てるには、困難が伴う。
後者は、実践書であっても、理論的な裏打ちが薄いものが多いように思われる。
やはり、この分野において研究者として、あるいは、実務家として関わる場合に、もしくは、即、実践したいという方にとっても、せめて条文くらいは知っておいたほうがいい。六法を見れば出ているが、それだけで分かるほどなら、こんなに山のように本は出版されないだろう。
本書は、著作権法の条文にそった解説書(コンメンタール)で、しかも口語体で書かれていて、極めて分かりやすい。大体条文の解説は眠くなるものであるが、この本の場合、条文にそった解説をしながら、しっかりと、相互の関連を抑え体系だった説明になっている。
まずは、この本を用意してから、自分の興味ある分野の書物を読むのが理解を促進するのではなかろうか。
この本に欠点があるとしたら、この価格、高額であるというところくらいだろうか?しかし、その価値はあると確信する。