全体的にピンと来ない内容。
「こういう言い方は良くない」、「こういう言い方をした方が良い」という語り口でエッセイ調に書かれており読み易いのは良かったが、肝心の「具体的にどうしたら良いか」という技術的な面まで踏み込んで書かれていない。
読み終わっても「ふーん。そうなんだ」だけで終わり、何かを身に付けられそうにもない。
これを読んで９割変われる人はすごいと思う。

平凡で簡単でスラスラ読める本。
目新しいことは何も書いておらず、ありふれた内容ばかりの羅列である。
入門編としては面白いかもしれないが、突っ込み不足。
なにより題名通りの『人は「話し方」で9割変わる』には触れていない。
変わったという事例も書いてると思ったが、これはおかしいんじゃないか。

むしろ「自称・話し上手」の方にこそ読んで頂きたく思います。私は口下手なので聞き手にまわることが多いですが、周りにいる「自称・話上手」な方にこの本を突き付けてやりたいと思いつつ、ケンカになること必至なので自粛しています（苦笑）
さて、本書の評価ですが・・・

コミュニケーションというジャンルの本の中では、文章は簡潔で読みやすく、内容も具体的に書かれていてかなり使える部類に入ると思います。口下手以上、そこそこしゃべれる人向けの本であると言えるでしょう。口下手な方にとっても目を通す価値はありますが、即実践できるか、というとやや疑問です。

良い点については他のレビューに譲るとして、好ましくない点について以下書きたいと思います。本書には会話のモデルケースや実体験が多数紹介されていますが、対話者の会話スキルや人格がいずれも一定のレベルにあります。したがって、一定以下のレベルでの会話は実社会で当たり前のように存在し、本書で紹介されているスキルが有効でない場合が多々あります。たとえば筆者の推奨する「あいづちの工夫」ですが、自分勝手にしゃべりまくるような話し手に対して実行すれば聞き手の負担を増すだけに終わってしまいます。本書で紹介されているスキルの数々は使いどころを間違えると痛い目に合う、諸刃の剣だと私は思います。むしろ普段しゃべりまくってる方が一歩下がって、このようなスキルを実践することができれば、それは大きくステップアップしたと言えるでしょう。

具体例というのは、普通体系化された理論があって、それに対する具体例のはずだが
具体例とその対処ばかりで、理論は一般人でもよくわかっている原則論ばかりだ。
全体的に散漫な雰囲気で、コミュニケーションについてのエッセイ集を読んでいるように感じる。

ほとんどの話べたな人は、述べられているような内容は、わかっているができないのだと思うので、
「こうするべきだ」とだけ言われても困ってしまう。

書籍タイトルに関しても、人にうまく話の伝わる、論理だてたうまい話し方が学べるかと
期待してしまったが、内容はどのようにうまく周囲とコミュニケーションを行うかという
Tips集のようなもので、自分の話し方をうまくする方法はほとんど書かれていない。

「コミュニケーションは会話力で９割変わる」というようなタイトルなら納得できるのだが
この本の内容は「会話力」についてであり、「話し方」では無いと思う。

全体的にあまり評価できないが
内容に２、３項目その通りと思う内容もあったので星１つ追加して星２個としておく

書かれているのは基本的なことですが、すぐに実践できる例が多くて便利。
会話の内容は今時ではないのですが、基礎を抑えるという意味では万能な良書です。