Tony Robinson氏の版はお財布に優しい。ネズミたちの小生意気なキーキー声が、ほんとに小さい体から搾り出してるみたいで、面白い。モーリスが眠そうな声なので、こちらもつられて眠りそうになります。シニカルな部分は溜め息混じりに皮肉っぽく流す感じなので、やや声のトーンは暗めかもしれないです。
Stephen Briggs氏の版はちょいと高価。彼はこの原作を劇化もした方なので、かなり演技の入ったコメディタッチの元気なナレーションです。本を読んで笑えたところは、きっちりギャグタッチで読んでくれます。ただちょっと高い声のきついみたいで、雌ネズミの声がやや不安定。
というわけで、コストパフォーマンスを追及するならRobinson版、コアな Discworld ファンなら Briggs 版をオススメします。
方法は簡単。まずネズミ達がその街で悪の限りを尽くし、頃合を見計らってハーメルンの笛吹きよろしくキースが登場。彼の笛によりネズミ達は「退治」され、彼らは報酬を貰う。これは全てモーリスの立てた計画だ。
しかし知性を得たネズミ達は独自の文字を開発し、モラルについて考え始めて拝金主義モーリスの考え方に反発する。そんなネズミ達に対しモーリスは「OK,解った。それじゃあ、次の街での仕事を最後にしよう」しぶしぶ賛同する。
しかし彼らが向かった最後の仕事の舞台となった街は他と様子が違っていた。ここで彼らは妄想少女マリシア(酷い名前だ)と出会う。そして彼らとは又違った知性を持つネズミとの出会い。予想もせぬ恐ろしい冒険が始まった・・・。
英語は難しくないが、グリム童話のパロディっぽいセリフや設定が沢山出てくる。基本的には「ハーメルンの笛吹き」が元ネタなんだろうが、そういった基本情報を頭に入れておいたほうが面白いかもしれない。勿論、そういったネタが無くても楽しめるが。でも、モーリスってそんなに「アメージング」かなあ。