グリシャムも息抜き?
★★★★★
いつものリーガルサスペンスから、舞台はイタリアのアメリカン・フットボールの世界。サッカーだけかと思ったら、イタリアにアメリカン・フットボールのリーグ戦があるとは、初めて知りました。
巻末にアメフト用語集がありますが、アメフトが好きな人には無理なく読み進めます。しかし見たことも無い人にはチンプンカンプンでしょう。
N・Yジェッツのジョー・ネイマスや、S・F49ersのジョー・モンタナなど懐かしい名前もチラホラと出てきます。
作者グリシャム自身も高校時代にクォーター・バックの経験を踏まえ、今回は楽しみながら書いている様です。
上巻の171ページ右から3行目 数分ほど休憩しただれで、また走りはじめた。
これ誤植ですかね、 数分ほど休憩しただけで、また走りはじめた。の
単行本から文庫本で出しているので、単行本はどうなっているのでしょう?
クォーターバックってのはすごいらしい
★★★☆☆
ルールが分からないとどこがおもしろいのかよく分からないと言われるアメリカンフットボール。
しかし、アメフトのクォーターバックと呼ばれるポジションは全米のあこがれであり、一挙一動がニュースになるんだという事がこの小説を読むとよく分かる。
ただし、この前提をふまえないと、イタリアでのリック活躍ぶりと、ユルい生活にちぐはぐさを感じてしまうかもしれない。
アメリカ人ならリックの立場や気持ちに共感し、イタリアの食事や観光名所案内も楽しめるのだろうが、日本人の私には、あまり苦労もせずにチームを勝利に導いたり、ガールフレンドを次から次に変えたうえ、とうとう裕福なアメリカ人女子大生とひっついてしまった都合のいい話と感じてしまう。
アメフトがらみで読みました。
★★★★★
NFLファンなので口コミでこの本の存在を知り、買ってみました。
映画化されたグリシャム作品はほとんど観ていましたが、新刊を買ったのはこれが初めてでした。文体は軽く、すらすら読めます。アメフトばかりではなく、イタリア料理の描写も見事で私は無性にイタ飯が食べたくなりました。
いつも海外ミステリーばかり読んでいる私としては、新鮮な感じで満足でした。
作者が楽しんでいる様子が伝わる
★★★★☆
ジョン・グリシャムの作品の中では、「パッとしない」部類に入るでしょう。
出版社も大手ではなく、マイナーなのも、理由が分かる。ストーリーはうまく練られているわけではないし、作品の終わり方が、うまく伏線とからまないし、「ジョンさんだいじょぶ?」と思ってしまう。
ただ、作者自身は楽しく書いたみないなものが、伝わってきます。
グリシャムは高校時代はアメフトの花形クオーターバック。そして、イタリアのスローなところが好きで、この小説もスローフードのように、イキイキと表現されています。
最初のイタリア料理の表現にはまいった。途中、お腹がすいて、近くのイタリア料理でパスタとワインとプロシュートを食べてしまった。それくらい、食欲に直接届く表現だった。
楽しい小説だったけど、ただそれだけというのが感想です。
アメリカンフットボールの表現に難あり
★★★☆☆
さすがにグリシャム作品だけありますが、アメリカンフットボールの経験者が読むと違和感がありまくる翻訳になっています。どうやら、訳者自身がアメフト経験がないのか、困った部分には直訳で誤摩化している部分があるみたいです。本来なら編集者がそういった部分を調整する役目をするべきなのでしょうが、そういった手間が省かれてしまったように感じました。ただし、アメリカンフットボール以外の部分の表現は面白いですから評価は☆3つにしておきます。