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プロローグ　歴史学
１　ダキアの女王、デチェバルの秘宝
２　〇の秘宝　サルミセジェツザの砦にある　金と銀の円盤
３　☓の秘宝　マラムレシュ地方の木造教会にある　金と銀の十字架
４　△の秘宝　シギショアラの歴史地区にある　金と銀の串
５　チェリーの過去　エリザベス・Ｚ・ホメロスヘシオドス
６　古代王国ダキアの女王、デチェバルの物語
７　シナイアにあるペレシュ城で、歴史人に恥じぬ生き様を！
８　そのお宝、保管させていただきます！
エピローグ　歴史学盗賊団レポート


歴史学盗賊団　チェリー＆ボーイズ
～ルーマニアの古代王国、ダキアの女王は三銃士に魅せられて～


プロローグ　歴史学

　歴史学の極意。それは、
『歴史人たちが残した業績を研究し、それを未来へ発展させること』である。

　考古学が、遺跡や発掘品などを通し、物理的な証拠に基づいて、歴史を認識していくのに対し、歴史学は、人々が文字化せず、口伝えに伝説や民話などを残した口承、または、古くからの制度、習慣、風習、信仰などを受け継いだ伝承にまでも踏み込み、歴史を認識していく学問である。
　それは、文字を持たなかった歴史人、記録に残るほどの身分ではなかった歴史人、また高度な文明を持たず、残された遺跡や遺産の質が低く、物理的に証明できない歴史人たちに対しても、耳を傾け声を聴く必要があるからである。
　そして歴史学の目的は、歴史を認識することのみにとどまらない。歴史を振り返ることで、未来への教訓を見出すことにもある。歴史人たちが味わった苦しみや悲しみ、絶望や挫折、それらを今を生きる人々に、教訓として提供することにも意義をおいている。

　さて、今日ここに、歴史学盗賊団という輩が出没する。彼らの目的はひとつ。
『歴史人たちの物語を紡ぎ出し、歴史人たちの大切なお宝を保管すること』である。
　歴史人たちの涙を胸に刻むために。歴史人たちのお宝を腕に抱くために。
　
　はて、何千年もの時を経て、今日はどのような歴史人が姿を現してくれるのだろうか。そして、どのような教訓を我々に授けてくれるのだろうか。
　古代王国ダキアの女王・デチェバルの秘宝とは……？
　その秘宝をめぐる世にも美しき剣豪・三銃士とは……？
　また、歴史学盗賊団は、その歴史人のお宝を無事に保管できるのだろうか。
　ついでに、ルーマニアの世界遺産、観光名所巡りにも酔いしれて頂ければと思う。
　誠に忙しなく、誠に下品な、歴史学大冒険ではあるが、どうぞご一読あれ……。

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歴史学盗賊団　チェリー＆ボーイズ
～ブルガリアの黄金文明、トラキアの錬金術師は生贄とともに～