シニア・マーケティング―21世紀「消費の主役」を捉える

世代・年代によるマーケティングの在り方を理解できる ★★★★★

本書では、シニア世代に対するマーケティングの在り方を解説しているが、最も重要な点は、世代と年代によるアプローチの在り方を提示して
いるところにあるのではないか。

つまり、現在50代の人と、60代の人では、同じシニア層であっても、趣味趣向が異なる。なぜなら、生まれ育った世代が異なるからだ。戦前と
戦中、戦中と戦後では、現在に至るまでの環境が大きく異なる。ゆえに、その世代に適したアプローチをしないと、商品・サービスをうまく
売ることはできない。

同様に、現在50代と、10年後の60代は、同じ世代ではあるが、趣味趣向は異なっているはずである。10年という月日は、単に肉体的な「老い」
を生ずるだけではなく、所得や家族環境にも劇的な変化を生んでいるからである。

本書では、そのような差を統計的な分析を用いつつ、あるいは、ユニークなサンプルを紹介しつつ、多角的に整理しており、マーケティングの
初心者であっても、十分に理解を深めることができるだろう。

目からウロコの本 ★★★★★

地方の人口は既に減少、不景気で財布のヒモは固くなるばかり…　こんな時代の中で成長の見込めるマーケットは限られている。これからはシニアを意識しなければモノは売れない、ってことが身にしみて理解できました。

また、データが豊富で、シニアの特性をどういう風に分析するかが分かりやすく示されていたので勉強になりました。

類似本はたくさん出ているけれど、高度な内容を誰にでも分かりやすく、しかも興味深く説明しており、この本がナンバーワンだと思いました。

新たなビジネスチャンスへの足がかり ★★★★★

頑健な検討 ★★★★★

手にとって驚かれるのは、まず学術的な「老年学」の文献が検討されている書き出しである。次いで豊富なシニアの意識に関する時系列データ
の統計分析（コーホート分析）、シニアのグルーピング、ＣＭに対する反応等実証的、実践的な分析がなされる。

理論的にも実証的にも、これほどしっかりした「シニア・マーケティング」論が実務家の手によってなされたことは注目に値する。
単に「これからのおいしいマーケット」といった浅薄なハウツー本とは明らかに一線を画す良書である。
今後広くマーケティング研究者、また実務家によって引かれる本になるだろう、と思う。