書棚に収めて並んでいる姿も絵になる美しい装丁の「日本の古典シリーズ」全２０巻。
古典シリーズといっても、大人の書斎に重厚な佇まいでずらっと並ぶイメージではなく、
各巻現代的な柔らかい装画で統一されたデザインです。最初に発行された１巻と１３巻
（古事記・平家物語）を見たとき一目惚れし全シリーズ揃えようと決めました。

本文も年齢を問わず入りやすく読みやすいレイアウトで、あらすじ→現代語訳→原文で
構成され、原文を声に出して読む場合なども非常にとっかかりやすいです。視覚でとら
える日本語のまろやかさと色気、音声に出すときのリズムの味わい、何百年も読み継が
れた文学を童話のように読めるとは…思いませんでした。
権威的すぎる序章や写真、解説などが必要以上に挿入されていないのも美点ですね。この
飾り気のなさが、最大に気を遣われた部分ではないかと感じます。
とてもセンスのいい素敵な本です。