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The Old Woman Who Named Things

価格: ¥333
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Sandpiper
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   友人もなくなりひとりひっそりと暮らす老婦人は、自分のまわりにある「物」すべてに名前をつけて寂しさを紛らわす。古い車には「ベスティ」、毎日座る椅子には「フレッド」、家には「フランクリン」、そしてベッドには「ロクサンヌ」。もうこれで寂しくないわと暮らし始めたある日、1匹の子犬が迷い込んで来る。子犬をかわいがる主人公。そしてこの子犬が突然老婦人の前から姿を消したとき、老婦人のなにかがゆっくりと溶け出してゆく。この愛らしい物語をしっかりと裏打ちしているのは、命あるものへの愛情と、命あるものとの確かな繋がりを求める「寂しさ」。そしてこの物語では「老い」を背景に置いてみた。

   淡い色調の絵は、強くあろうとしながら心細さを抱えた主人公の姿をうまく描き出している。ただし、人は孤独でなくとも寂しいものだし、寂しいからといって孤独であるとは限らない。主人公は自分が内に抱えている孤独に無意識だ。しかし孤独とは、大切に心の奥に抱えておいて、掌で愛でることができるものである。寂しさがなにかによって埋められたとき、孤独を抱えているからこその豊かな人生がもう一度始まるのかもしれない。(み)