サインやシンボル、落書き、壁画、そして広告といった、都会のはかなきものたちの織り成す独創的な万華鏡都市、ニューヨークは路上グラフィックの世界的中心地のようなものだ。その革新的なアイデアやスタイル、そして手法はあっという間に世界的なものとなる。
   本書『Street Graphics New York』は9・11後の、感情的になっている街のイメージを記録している。ニューヨークのシンボルはシックなファッション広告や、ありがちな旅行者用のおみやげ品に描かれている。さまざまな文化のレストランの看板をみれば、人種の多様性を伺い知ることができる。ジャズ・エイジの力強さ、がむしゃらな60年代ポップアート、しゃれた落書き、ステンシルやステッカーのアートなど、人を驚かせ、魅了し、そして楽しませる視覚的なテーマを通して、バリー・ドーソンの熟練された視点はニューヨークの持つエネルギーと人間性を捕らえている。
   本書はデザイナーにとっての豊富な情報源であり、気まぐれな旅行者のガイドブックであり、ニューヨーク、アメリカ、そして世界を変えたある時代の歴史的な記録である。150のカラーイラストを収録。