カラーでの紹介は1枚もないのですが、ベーシックなパターンから針で絵を描くように使う応用までが紹介され、創造力がとても膨らみます。
英文でも所々に図解があり、基礎のある方なら実用性は◎。

まねる本なら日本にもいいものがたくさんありますが、こういう要点を絞って、読者の創造力をかきたてるタイプはなかなかない。
私には久々に家に居座りそうな満足度の高い本でした。

小さめの本ですが、内容はたっぷりです。
いろいろな技術が紹介されていますが、糸を弾く加減でいろいろな表現ができる、その面白さを知ることもできるようになっています。
技術の説明は手書き風のイラストでかわいい感じ。馬鹿丁寧な説明ではありませんが、創作意欲を刺激するつくりでとても気に入っています。
作品例を見ても、とても自由なデザインで、大塚あやこさんのアジュール本とはまた違う魅力です。
ただ全ページモノクロなので、写真集的な楽しみ方をされたい方には不向きかも。

Pulled Thread Embroidery とは、糸(布の織り糸)を引っ張って、
レースの様に布に変化をもたせた刺繍で、
日本では一般的に「アジュール（仏語）刺繍」
などと呼ばれているものです。

本の約半分は、沢山のテクニックを写真と図案で説明してあります。
後半は、作品や図案の紹介で、アンティークのものから、
コンテンポラリーアートの様なモダンなものまで載せてあります。
デザインも具象柄から抽象的な柄、幾何学的なものといろいろです。

同じ技法を紹介した「Danish Pulled Thread Embroidery」より
載せてある作品がバラエティーにとんでいます。

全て白黒写真なのが物足りませんでした。