しかし、いくつかの不満がある。
第一に、筆者も述べているが、「歴史のすがたをスケッチ」することに力点が置かれているため、将来への展望が不十分であり、書名の「合意形成とルール」に惹かれてこの本を購入した人にはいささか失望させられるだろう。
第二に、文献案内がないことである。新書という性質上、仕方のないことかもしれないが、より深い理解を読者に求めるのであれば、文献案内をつくることは学者の「良心」ではないだろうか、と思う。