DA-10は、「USB-DAC」、「iPod / iPhone」、「AUX」の3系統の入力端子を装備。
パソコンからの入力はDSD 5.6 MHz、PCM 192 kHz / 24 bitに対応。
アシンクロモード伝送により、不安定なパソコンのクロックによる音質への影響を排除しています。
iPod / iPhone / iPadとの接続にも対応。
iTunesから転送した楽曲を外出先でも高音質に楽しむことができます。
また、3.5 mmステレオミニジャックにはハイレゾオーディオプレーヤーやAndroidスマートフォンなどを接続し、DA-10をアナログヘッドホンアンプとして使用することができます。
AUX入力が選択されているときにはデジタル回路への電源供給を停止し、音質の向上とバッテリー駆動時間の延長を図っています。
入力端子 | 接続機器 | 入力信号 |
---|---|---|
USB-DAC(USB-Micro B) | PC(WASAPI対応) Mac(Core Audio対応) | DSD 2.8 / 5.6 MHz(ASIO、DoP) PCM 192 kHz / 24 bitまで |
iPod / iPhone(USB-A) | iPod / iPhone / iPad | 48kHz / 24bitまで |
AUX (3.5mmステレオミニ) | ポータブルオーディオプレーヤー、スマートフォンなど | アナログ音声(最大入力2V rms) |
いかにオリジナルのアナログ音源に近い音を再現するか。
これはデノンが長きにわたり、デジタル再生においてもっとも強くこだわってきたテーマであり、それを形にしたのがビット拡張&データ補完によるアナログ波形再現技術「ALPHA Processing」です。
DA-10には、その最新バージョンである「Advanced AL32 Processing」を搭載しています。
16bitの音楽信号を32bit精度にアップコンバート処理するハイビット化処理に加え、時間軸方向の情報量を拡大するために44.1kHzの信号は16倍に、192 kHzの信号は4倍にアップサンプリングします。
このときに単純な補間処理を行うのではなく、連続的に変化する音楽信号から本来あるべきデータを推測し、デジタル変換の過程で失われた本来のアナログ信号の滑らかな波形を再現。
ホールに吸込まれるような残響音などの微小な音の再生能力を高めます。
Advanced AL32 Processingの効果を最大限に生かすため、上級スーパーオーディオCDプレーヤーに採用されているものと同じ最新型の192 kHz/32 bit対応D/Aコンバーターを採用。
各チャンネルを電流出力し、I/V変換の後にポストフィルターで差動合成することによりS/N比、ダイナミックレンジを大幅に改善。
より精度の高いデジタル/アナログ変換を実現しました。
D/Aコンバーターに供給するクロックの精度を最優先するために、D/Aコンバーターの間近にクロックモジュールを配置。
D/Aコンバーターを動作させるクロックをマスターとして周辺回路にクロック供給を行うことにより、デジタル回路の正確な同期を実現。
また、44.1kHz系、48kHz系の2系統のクロックを入力信号のサンプリングレートに合わせて切り替え、最適な周波数のクロックをD/Aコンバーターに供給。
非整数倍の分周によるジッターを排除することにより、理想的なD/A変換を行います。
スーパーオーディオCDプレーヤー「DCD-1650RE」にも使用されている低ジッター・クリスタルを採用し、クロック信号の位相ノイズを低減。
3次元的な空間表現とブレのない音像を実現しています。
電圧増幅段にはハイスピード、ローノイズな高速オペアンプ、出力段にはディスクリート電流バッファー回路を採用。
オペアンプで増幅とヘッドホンの駆動を兼ねると駆動力が不足し、ヘッドホンのパフォーマンスを十分に引き出せませんが、DA-10では電圧増幅段の後ろにヘッドホンの駆動のみを行うディスクリート電流バッファー回路を設けることで駆動力を大幅に向上しています。
さらに、出力段にヘッドホン用オペアンプを使用した場合、高品位なものは種類が限られるうえ、回路に手を加えることができないため、独自の音作りができなくなってしまいます。
DA-10ではディスクリート回路の採用によって回路構成や使用するパーツの自由度が増したため、デノンの目指す安定感のある空間、ブレない音像、そして繊細なディテールの表現力を徹底的に突き詰めることができました。
ハイインピーダンスなヘッドホンでも最適な音量が得られるようにゲイン切り替え機能を搭載。
本体側面のゲインスイッチを「High」に設定するとゲインを「+12 dB」に切り替えることができます。
電源回路をメイン基板から独立した専用基板とすることにより、オーディオ回路への干渉を抑制。
さらに、ヘッドホンアンプ回路、D/Aコンバーターなどブロック別に専用のレギュレーターを用いることで相互干渉を防止しています。
また、ポータブル機ながら、アナログオーディオ回路を±6.5Vの高電圧で駆動することにより、力強いサウンドを実現しています。
フルサイズのHi-Fiオーディオコンポーネントと同様に、設計者とサウンドマネージャーによる入念な音質検討を繰り返してパーツを選定。
アナログオーディオ出力回路には、オーディオ専用のハイグレードなアルミニウム電解コンデンサーを採用しました。
また、抵抗にも標準的なチップ抵抗ではなく、より低ノイズ、低歪なメルフ抵抗を使用しています。
さらに基板には特殊な6層ビルド基板を使用。
クロック信号を通すパターンをグラウンドと電源のパターンで挟み込むことにより、高周波ノイズの漏洩を抑え、繊細なアナログオーディオ信号への影響を抑制しています。
ポータブル機であっても音楽の持つ魅力を存分に再現できるように、Hi-Fiオーディオで培ったノウハウを投入。
妥協を排したサウンドチューニングを行っています。
ハウジングには強度と重量のバランス、そして質感にもこだわったヘアライン仕上げのアルミを採用。
ボリュームノブにはアルミ無垢材を使用。
確実な操作が行えるようにローレット加工を施しています。