デタラメ学者のトンデモ本
★☆☆☆☆
著者の村井俊治氏は、地震の前兆である数センチ規模の地殻変動をGPSデータで捉えていると主張している。だが、これは噴飯もので、全くのデタラメである。
既にいたるところで指摘されていることであるが、村井俊治氏は、GPSのノイズ変動を、地殻変動だと勘違いしているだけである。
GPSの値は、ノイズで簡単に数センチ動く。地震も起こさずに、前兆として地面が数センチも動いて、すぐに元に戻っているなんてあり得ない。国土地理院も気象庁も、そんなことは認めていない。
この著者がGPSを全く理解していないことは、次の一文からも良くわかる。
「GPSとは、位置情報を人工衛星に送信して測定するシステムである」(13ページ)
…言うまでもないが、GPSでは、位置情報なんてものをやりとりしない。そもそも、人工衛星に情報を送信したりもしない。こんなことは、小学生でも知っているのではないか?
地震予測実績の誇張もひどい。前兆観測から地震発生までが、3週間だったり、6ヶ月だったり、9ヶ月だったり…そんなに期間に余裕をもって的中判定して良いのなら、この地震大国日本では、誰でも地震予知ができる。極めて低レベルなデタラメ本である。