いまだに尊敬する人の多いアメリカ言語学のパイオニア的巨人が書いた言語研究入門。書いてあること自体はやや古めかしく感じるところがあるかと思うが、特筆すべきは専門外の人にも親しく包み込むように語りかける文体の人間的魅力。これだけで言語に興味を持つ若者が続出しただろう。永遠の名著の所以である。初めの方の言語と思考の関係についての見方はソシュールやフンボルトを思わせて興味深い。

これから言語学を学ぶ人が知っておくべきことがわかりやすく、整理されて書かれています。言語学を専門としない人、言語学に興味を持っている人も読者として想定されているということで、難しい用語は使われていません。新書のように読めます。岩波文庫から出ている訳本を参考にしながら読むのもいいですが、私の場合は原文で読んだ方が意味がわかりやすかったです。