なるへそ (Kindle Single)
価格: ¥0
「なるへそ」は、以前小説誌に書いたきり、どこにも収録されず埋もれていた短編(私にしては珍しく、パロディ)です。今回それが、Kindle Singlesによって“発掘”され、こうして発表の場を得られたのは幸運なことだと思います。(池井戸 潤)
この小説の舞台は、いつも「準備中」の札しか出していない小さな寿司屋『皆藤(かいどう)』。ここに月に一度、各界を代表する四人の専門家が集い、毎回ひとりのゲストを招いては『黒焦げ蜘蛛の会』と名付けた会を開いているのでした。
さて、この夜。いつものように集まった会員たちに、招かれたゲストが自らの悩みを打ち明け、解けない謎を提示します。
その謎を解こうと、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をする四人の専門家たち。しかし、一向に謎は解けません。そんなとき、ある意外な人物がその謎を解き明かしてくれます。
はたしてその人物とは誰でしょう、そして彼らが解けなかった謎とは——?
池井戸 潤(いけいど・じゅん)
作家。慶應義塾大学卒。『果つる底なき』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞、『鉄の骨』(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』(小学館文庫)で直木賞を受賞。主な作品に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』(以上、文春文庫)『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』(以上、ダイヤモンド社)、『空飛ぶタイヤ』、『ルーズヴェルト・ゲーム』(以上、講談社文庫)、『ようこそ、わが家へ』(小学館文庫)などがある。趣味はゴルフ・写真・フライフィッシングなど。