手抜き感
★☆☆☆☆
やたらとマザーコンピューターに頼る事が多かった巻。
わからない→即マザー、なんてこともあったりで
何らかのきっかけから閃く、のきっかけの部分を考えるのが面倒で
マザーにやらせてしまえ、みたいな手抜き感がどうしても感じられる。
また、話自体も面白みに欠け
70巻あたりから見て最低のレベルに入る巻だった。
また、他の方も書かれてますが
バンコランの顔の形が随分変わってきてますね。
妙に丸っこくなって、カッコよさダウン。
読めるだけで満足です
★★★★★
年に一度だけ読めるパタリロの新刊です。正直、彦星の気分です。内容はいつもの
ドタバタのパタリロワールドですですが、読めるだけで幸せです。また来年まで首を
長くして待っています。バンコランの出番が無かったのが少々淋しいですね。
こんなやり方もあるのか……
★★★★☆
推理物「にぎやかな自殺」には感心させられました。
推理物が傑作か駄作かどうかは「それを読んだ読者が話の中で紹介されたヒントを元にしっかり考えれば、(謎解きがされる前に)犯人が誰かやどんなトリックが行われたかが解読できる話作りになっている(謎解きを読んだ時に「なるほど!」と納得できる)」かどうかにあると思います。
推理物を読む際に「ただ流し読みするだけでなく、謎解きが行われる前に本を閉じて犯人とトリックを考える作業をする」という読者もいると思いますが、私の場合は以前推理物を読んだ際に「一生懸命考えた後で謎解きを読んでも、納得が行かない結論になっているので考えたのがバカらしくなった」という経験をよくしたので、「考えることなく流し読みで済ませる」ことが多いのですが、この話を読んだ後は「ちゃんと考えれば読者にも犯人とトリックが解読できる話の作り方になっているから、流し読みしないでじっくり考えればよかった……」という気持ちにさせられたものです。
この話ではパタリロが現場検証をしていた段階では「チェーンが内側からかけられたトリック」がどうしてもわからず散々悩んだものの、その後で関係者から決定的な証言を聞いたことで「すべてのトリックがわかった」という展開になっていますが、ポイントは「決定的な証言を聞く前のパタリロにはトリックを解読しようがなかったが、この話を最初から読んでいた読者にはトリックが解読できるようになっている」ことです(パタリロが聞いた証言の内容が、話の中でちゃんと展開されているため)。
この「作品の登場人物には解読できないが、読者には解読できるようになっている話作り(ただ、じっくり考えない限り無理ですが)」に対しては「こんなやり方もあるのか」と感心させられたものです。
情報精選と近似処理
★★★★★
いきなり堅い話題で、恐縮です。
タルコフスキーの『鏡』は冒頭、吃音治療のシーンから始まります。
これは制作サイドからは、そのあとに続く展開、記憶の再構成への「順接」の意味合いを以て説明されているものです。
けれども、記憶の再構成の過程について、情報が近似処理されているのだ、という前提からスタートすると、治療の場面は必ずしもすっきりとは再構成にはつながらないのです。
つまり、言い換えると「逆接」に転じてしまいます。
本歌取り、を充分に使いこなせる作者は、落語でも絵画でもダンスでも引用できるのでしょう。
そして、それは、軽くやれます。
この実験を延々とやってみるとしましょう。
コミックとしては約束を逸脱するので、読者からは不満がでるかも知れませんね。
やらないだけですよ。そんなことが昔から明らかだから、凄腕の作者の1人なのだと思います。
じっくり腰を据えて描いて欲しい。
★★★★★
60巻を超えた頃からでしょうか、ストーリーは微妙に手抜き、
絵はどこまでもシンプルで、かつての色気はどこへやら…という感じですが、
パタリロが好きなのでずっと買い続けています。
で、今巻ですが、魔夜先生、ようやく浮上?と思いました。
これまでも浮上を思わせる巻はあったんですが、
初期巻からのファンの立場で考えると、相当甘め採点だった事は確かです。
でも今回は以前の調子を取り戻してこられたか…そんな気がしました。
ここ数年は家政婦パタや源氏等、スピンオフが多かったのも
不調だった原因のひとつかなと思うし、これからは腰を据えて
パタリロはパタリロとして本編一本だけに絞って欲しいです。
(※ただ、個人的に西遊記は好きです!続編希望!!)
とはいえ絵に関しては…。
どうしてこんなに色気が無くなってしまったのでしょうか。
昔ほど緻密に…とは申しませんが、美形が美形に見えないのはなんだか悲しい。
バンコランやマライヒも美形に見えなくて残念です。