「研究課題を目に見える形に」
★★★★☆
概念モデルとは何か。副題の「研究課題を目に見える形に」することがそれだ。
すなわち、臨床家や臨床現場に近い研究者が素朴な疑問を研究疑問にまで作り上げる
ためには、「まず概念モデルを作って、どういうことが自分にとって知りたいこと
なのか、そしてどのような概念がその周囲にあるのかを考えてみる」ことが必要となる。
おそらく、これから研究を始める人はこの本の前段階にある、「はじめに」にある
漠然とした疑問を研究計画書にするまでの7つのステップについて講義を受けて、
それから本書を読むと実に腑に落ちるのではないかと思った。
そうした流れを経験するならば、類書のない、研究入門なのだと思う。私が経験した
修士課程でもこうしたことは教えてくれなかったので、当時教わっていたら、もう少し
論理的なステップを踏んで研究疑問を作ることができたかもしれない。
ただ、著者も書いているが、概念モデルを作るためには数ヶ月かかることも可笑しくない
とあり、自分も今取り組んでいる研究のモデルを作るのに1年以上かかったが、
本当に明らかにしたいことは磨きに磨くべきであろう。
講義をそのまま体感している感覚を覚えます。
★★★★★
臨床現場における様々な疑問を、図という「視覚的」な表現で示し、さらにそれらを
「明確に」理解して説明できるための方法が、惜しむこと無く記されています。
すなわち、この書籍は「理論の視覚化」により、疑問を熟考して理解するための
ノウハウを教育する内容でした。
シリーズものである「リサーチクエスチョンを作る(iHope)」と同様に、非常に
シンプルな構成であり、読みやすく理解しやすく、数時間で読破が可能で、まるで
講義を受けているような感じを覚えます。臨床研究デザイン関連の書籍では、
このシリーズは最良であり、良い書籍に巡り会えたと感じています。
実例を多用
★★★★☆
実例を多用して、概念モデルの作り方を伝授してくれます。
同じシリーズのリサーチ・クエスチョンの作り方と一部重なるところがあると思います。