著者は、大学卒業後、外務省に入省。その後ペンシルバニア大学ウォートンスクールでMBAを取得し、コンサルティング会社、外資系家電メーカーを経て、現在のコンサルティング会社を設立した。本人の体験や3000社にのぼる顧客企業の成功事例などをもとに、ありきたりの成功法則を否定し、凡人が成功するために必要な心構えや行動について、意見を述べている。
本書は、誰もが持っている「悪」の感情のエネルギーを利用し、まずは「心」よりも「金」に優先順位を置くことをすすめる。通常の道徳観からはタブーとも思われるような論が展開されているが、著者自身がこの「悪」のエネルギーを利用して成功しているだけに説得力がある。成功した人のきれいごとではなく、多くの金持ちが実践しているやり方を、ありのままに語っているところに特徴がある。
「目標は紙に書くと実現する」「やりたいことを明確にするためには、やりたくないことを明確にしなければならない」「自分でレールを敷く人と、他人にレールを敷かれる人では、人生のスピードが大きく変わってくる」など、常識の盲点をつく言葉に目を開かせられる。成功者たちがこれまでおおっぴらに語らなかった成功法則が参考になる。(土井英司)