ので、読み物としても大変良い。適時、演習問題が入っており、
ネットで落とせる解答集も200ページと非常に充実していて、
これをしっかり学習すれば、有機合成に対して幅広い知識
が身につくはずである。文献は一切ないので、実戦向きではない。
飽くまで、メカニズムと電子論を理解する上での教科書として
割り切って使う必要がある。
本書の構成は反応条件で章立てられており、酸性条件や塩基性条件などでまとめられている。しかしながら、残念なことに索引はあまり充実していないので、目的の反応機構をぱっと調べることはできない。本書を使いながら探したものリストを作成し、オリジナルの索引を作っていくと良いだろう。また、リファレンスが挙げられていないので、元の文献を引くことはできない。
その上で、本書はよくまとめられた本であって、反応機構を考える上で手助けになるだろうと思う。
欠点をしいて挙げるなら、立体化学についてほとんど触れられていないこと、レファレンスが無い事ぐらいでしょうか。