第二次大戦末期ドイツは制空権を奪取されその不利な戦局を打破する為、ドイツ航空技術陣は、多数のロケット・ジェットエンジン戦闘機を研究開発した。それはその十年前から超音速風洞実験施設や基礎研究が充実していたからだ。そして彼等は、それらの兵器を実戦に配備した事に象徴される様に、当時のドイツ航空機テクノロジーは世界より数十年先を進んでいた。本書では大型機を中心として編集されている。
　例えば、ホルテンXⅧは、資源の枯渇から、全木製とし6発ジェットの大型全翼機で、主翼前縁の合板にカーボン粒子を付着させ、レーダー波の反射を防ぐ、今日でのステルス機能を先取りしていた。この様に画期的な設計思想に基くプランが多々あった。

　しかし、これらの全てが技術的に可能なものばかりではなかった。ダイムラーベンツは、翼幅94mもある4発ジェットの巨人機を母機とし、胴体下面に翼幅22mの子機、爆撃機を懸架するA案や、翼幅54mピストンエンジンを主翼の前に4発後ろに2発装備する母機の主翼下面に、翼幅8.5mの子機、戦闘機を5機懸架するB案があり、各々の子機を飛行中に発射させるという、瀬戸際に立たされていた戦況下でも、驚きの破天荒な試みのプランも数多く存在した。逆にこうした奇想天外な、自由な発想の中から、次世代への最先端テクノロジーが構築されていくのではなかろうか。

　日増しに衰退していったドイツ国力は、その最先端テクノロジーを支えきれず、試作計画機群は一度も飛ぶ事も無く敗戦を迎えたが、技術者達の熱い情熱から得られたデータは、本書巻末にも特筆されている様に、戦後連合国に多大な影響を及ぼし続けている、驚愕の事実を、皆様はその内容は本書を読んでからのお楽しみとして戴ければ幸いです。
　　

　第二次大戦末期ドイツは制空権を奪取され、その不利な戦局を打破する為にドイツ航空技術陣は多数のロケット・ジェットエンジン機を研究開発した。それはその約十年前から、超音速風洞実験施設および基礎研究が充実していたからだ。そして彼等はそれらの兵器を実戦に配備した事に象徴される様に、当時のドイツ航空機テクノロジーは世界の数十年先を進んでいた。本書では、大型機を中心に編集されている。

　例えば、ホルテンXⅧは、全木製6発ジェットの大型全翼機で主翼前縁の合板にカーボン粒子を付着させ、レーダー波の反射を防ぐ、今日のステルス機能を先取りしていた。この様に画期的な設計思想に基く試作計画機が多々存在した。しかし、これらの全てが技術的に可能なものばかりではない。ダイムラーベンツは、翼幅94mもある4発ジェット巨人機を母機とし、その胴体下面に翼幅22mの爆撃機、子機を懸架するＡ案や、翼幅54ｍ、ピストンエンジンを主翼の前に4基後ろに2基装備する母機の主翼下面に、翼幅5.4ｍの戦闘機、子機を5機懸架するＢ案があり、各々の子機を飛行中発射させる、驚きの破天荒な試みなものも多々あった事も事実だ。こうした奇想天外であり自由な発想の中から次世代への最先端テクノロジーが構築されていくのではなかろうか。
　日増しに衰退していく国力はそのテクノロジーを支えきれずに一度も飛ぶ事も無く敗戦を迎えたが、本書巻末の通り、技術者達の情熱から得られたデータは、戦後連合国に多大な影響を及ぼし続けている驚愕の事実を、皆様も本書より認識して戴ければ幸いです。