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日本を創った思想家たち (PHP新書)

価格: ¥998
カテゴリ: 新書
ブランド: PHP研究所
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思想家から日本の伝統を探る ★★★★★
コンパクトにまとまっていながら著者の方向性は明快で分かりやすい。著者は日本論として書いたようだが、人物ガイド、ブックガイドとしても優秀。

著者の最大の関心は「日本的なものの発見」であり、そのため小難しい思想家ばかりでなく「日本の伝統」を表現した作家にも多くの項が割かれている。

著者が高い評価を下したのは福沢諭吉と司馬遼太郎。福沢は穏健改革志向と庶民とエリートの橋渡し役としての評価。一方司馬は戦後のマルクス主義の台頭に「日本史の偉人」をもって静かな抵抗をしたことに対して。彼らの本を読むときの幅が広がる。

一方吉田松陰は「弟子の成功によって大思想家に」、石橋湛山は「時流にあってない」と過大評価を正している。森鴎外などは「才のみで語るべきテーマが無い」と散々なところも面白い。

人物によっては難しい所もあるが、知ってる人物を拾い読みするだけでも十分価値はある。
日本の思想家列伝 ★★★★★
 古代では、『日本書紀』で日本固有の歴史とともに固有な思想が始まった。仏の救済の前に平等と説く最澄。即身成仏を説いた空海。もののあはれを語った紫式部。実録日記を書いた清少納言。
 中世では、南無阿弥陀仏・他力本願の親鸞。修行至上の道元。立正安国の日蓮。人間通の冷徹な観察者吉田兼好。能の花・無心の世阿弥。古典の革新をはかった連歌師飯尾宗祇。
 近世前期では、良知と全孝心法を説いた中江藤樹。日用の学・養生訓の貝原益軒。発句・文学の革新松尾芭蕉。義理超脱の井原西鶴。多面的義理の衝突を描ききった近松門左衛門。
 近世後期では、神ながらの道の本居宣長。その系譜につながる国学者契沖・賀茂真淵・荷田春満・平田篤胤。勧善懲悪の時代小説を書いた曲亭馬琴。再興の思想家に二宮尊徳。
 近代では、自由と平等・洋学の思想家福沢諭吉。修養・武士道の新渡戸稲造。アジアは一つの岡倉天心。近代文学・小説を説く坪内逍遥・二葉亭四迷・森鴎外・幸田露伴・夏目漱石。
 現代前期では、絶対矛盾的自己同一の西田幾多郎。民俗学の柳田國男。アナキズムの大杉栄。エリート意識の死芥川龍之介。人間学的風土論和辻哲郎。東亜共同体論の三木清。
 現代後期では、デモクラシィーとエゴイズムわめぐって丸山真男・福田恒存。小説が戦後思想を底辺で先導した伊藤整・開高健・村上春樹。戦後思想の総体を独力で駆け抜けた吉本隆明。
 日本人のよき伝統が発見できる思想家列伝。