内容であるが、運用の第一線で活躍している実務家が記しただけあって、単なるお話にとどまらず、具体的・実務的であるのが特徴である。テーマは「ロング・ショート戦略」「ヘッジファンド」「不動産投資」「為替オーバーレイ」「行動ファイナンス」等々、最新のトピックがバランス良く盛り込まれている。レベル感は章毎に幾分バラツキがあるものの、総じて分かりやすい。特に第3章「ロング・ショート戦略」については、関連するどの解説本よりも平易で纏まっていると感じた。
機関投資家が指向している最新の投資手法について首尾よく学ぶことが出来るので、そうした知識を必要としている方にお勧めする。欲をいえば、三菱信託が実際に実践している運用戦略とそのパフォーマンス等々について、より突っ込んだ解説があればと感じた。