音に惚れ、人柄に魅かれ、皆が笑顔で朝を迎える。
★★★★★
Disc1
僕にとって彼の音は、
深く濃い色の上質な繊維だ。
絹に似たその質感は聴く者を優しく包み込む。
全身を包み込まれ一時視覚を失っている間に
ふと気づくと身体が軽くなっている。
重力から解き放たれた一片の羽毛のように、
僕は夜の宙を舞う。
気流は緩やかで暖かいが、何せ羽毛の重さゆえ、
瞬きする間に、上昇と下降を繰り返しつつ、
遠く彼方へ運ばれる。
Disc2
いつのまにか僕は成層圏を超え宇宙に、
煌く星々をすり抜け、
彼の音は僕を時からも解き放つ。
緻密に繊細に織り上げられた物語は、
悠久の時をも自在に行き来する。
素晴らしいTrackに歓喜する時、
初めて前Trackの意味を価値を理解する。
全てのTrackが輪廻し転生しているのだ。
前作から輪廻し姿を変えた本作。
彼の深遠なSequenceの一環であり、
一つの表情に過ぎない。
その奥行きの深さにはただ呆然とするしかない。
ふと我に返るとDisc2が終わっている。
素晴らしき旅に感謝を捧げ、
再びDisc1を手に、僕はまた再生の旅に出る∞