ただし、飽くまで基本。
つまり、これによってOSPF理解の鍵である各種LSAの意味と振る舞いは大体理解出来ると思います。
Ciscoで言うと「show ip ospf database XXXXX」で見る情報の意味がほぼ分かるようになると言う事を言っています。
このレベルでも非常に有益であるとは思います。
ただ、実際に設計/設定に関わっている人間から見ると、書いてある内容に突っ込みが足りない感じがします。
恐らく、ベンダの実装に依存しそうな部分を注意深く取り除いた結果という部分もあるかもしれません。
例えば、外部ルーティング情報の取り込みについての部分で、OSPFに再配布する際の外部タイプ1と外部タイプ2についての説明。
ぼかしているせいもあるかもしれませんが、分かりにくい上にちょっとポイントがずれています。
こういう記述の積み重ねが、既にOSPFをマスターした技術者からは評価されない点なのだと思います。
なので、Cisco系のルータを扱う事のある技術者にはこれと一緒に「Ccie Professional Devlopment: Routing Tcp/Ip」を併読される事をお勧めします。
洋書ですが、OSPF以外にも書かれており、説明が分かりやすく、日本語化されていない情報があったりするので個人で購入するならこれが一番コストパフォーマンスが良くお勧めです。
いずれにしても、OSPFのLSAの振舞いを体系的に知りたいと思われる方には、まず本書「詳解OSPF」を読まれる事をお勧めします。
場合によってはこれで充分ですし、さらに詳細/厳密な情報を知る場合の足がかりにもなるので損はしないでしょう。
この本では、OSPFの動作を具体的に解説しています。
このネットワークでは、どのルータがどういったLSAを広告し、またその中身にはどういった値が設定されているかといった感じです。
また、OSPFv3に関する書籍や情報はあまりないので、その点にふれていることもGoodでしょう。
ただ、フォーマット図などが一覧として掲載されていない(バラバラに掲載)ので、資料的書籍としては役不足かもしれません。
(フォーマットなどはその都度RFCを見ろと言うことか?)
OSPFv3の実装者が訳しているので、翻訳のほうの出来もいいです。