M.ポーターが述べているように、環境規制を厳しくすることによってその国の技術革新が誘起され、結果として、その国の企業の競争力を各段に高めるという主張は、まだ十分に検証されているとは言い難いですが、しかし、日本の自動車メーカが、石油ショック後に、米国でのシェアを高めたことは事実で、それは、低燃費、省エネルギーの製品が米国の消費者に指示された結果に他ならないことは厳然とした事実のように思えます。
とすれば、本書の提唱は、環境への対応がCSRやメーカーのブランドを高めるだけではなく、そのような製品が顧客から支持されることによって、大きな競争力の源泉になると考える時期が、もうそこにきているように考えて不思議ではないと思えます。