微妙・・・。
★★★☆☆
棋譜一手一手に説明がされていてオープニングの勉強にもなる。初心者とかだと最初なにをしたらいいかわからないからそういう人こそこういう"Move by Move"の本がいいと思うんだけど、この本は完全な初級者が読むには難しすぎるしある程度チェスをやったひとにとっては、かえって長ったらしくつまらなく感じるかもしれない。。。各試合ごとに最後に「結論」みたいな部分があるんだけど、その結論に書かれてることもほとんどほかの本にも書かれてることで"Reassess your Chess"などの他の本で読んだ方がずっと単純でわかりやすいと思う。個人的には、本当は買った事に後悔してるんだけど、自分のトレーニングように使うことで自分を満足さしてる状態っす^^;まずオープニングから10手目まで盤に並べて、次に何をしたらよいか自分で予想するんですね。そのあと実際にどんな手が打たれたか両方の手を見てまた次の手を予想する。このトレーニングにはこの本は向いていると思う。一手ごとに細かい説明がされてるから。 でもこの本買うお金があるなら"Reasses your Chess"とか買ったほうがいいと思うよ~
読めば必ず強くなる
★★★★★
著者のNunnは、オープニング、ミドルゲーム、エンディングそれぞれについて理論家であると同時に実践家という、非常にバランスのとれた(しかも強い)プレーヤーとして知られている。そのNunnがチェスの最も重要なテーマ30を各1ゲームを題材として包括的にレクチャーしたのが本書。1手毎に丁寧な説明がされているのであたかもNunnに個人授業を受けているかのようである。切り口は、伝統的な理論から現在のチェスがどのように発展してきているかということに主眼が置かれている。その目的は、より深くこのゲームを理解し、実際のゲームで勝つために他ならない。例えば、通常はセンターポーンをそうでないポーンと交換するのは望ましくないと言われるが、シシリアンで白がそのdポーンを黒のcポーンと交換するのはなぜだろうか。また、第7ランクに進入したルークはなぜ強いのか(やっかいなのか)、たとえ直接的に相手のポーンを取ることができないとしても。これらの問いに明確に答えられないとすれば本書を読んでみる価値がある。ちなみに30のゲームの構成は、「現在」の理論を示すためにそのほとんどが1990年代以降のゲームであり、またオープニングについて5ゲーム、ミドルゲームについて22ゲーム(アタック:6、ディフェンス:4、ポジショナル・プレイ:12)、エンディングについて3ゲーム。本書を読めば必ず強くなる。そうでないとしたら、あなたが既にグランドマスターのレベルに達しているからだろう。
近代チェス実践集
★★★★☆
1990年代のゲームを中心に近代チェスの実践例30局集め、分かりやすく解説。各局、一つのテーマを中心に紹介。著者は、古典チェスと近代チェスを対比させながら解説しているが、これがなかなか面白い。例えば古典チェスでは、駒の展開を図るため序盤戦では、同じ駒は一度しか動かさないのが原則とされる。しかし、著者の紹介する近代チェスの実践例では、序盤の最初の13手のうち7手で、ナイトが動く。これは従来の古典チェスの常識では「素人」のやること。しかし、このようにナイト動かしているのは、前世界チャンピョンのカスパロフであったりする。また、古典チェスでは、スペース(自分の駒の動ける空間)が多いほど有利とされる。しかし、近代チェスで流行しているヘッジホッグ防御が紹介され、ここで著者は、スペースがあってもそれを活用する戦略がなければ、スペースは無意味と説く。逆にスペースを持つ側は、そのスペースを防御し、相手の反撃を防ぐ義務が生じ、かえって負担になる場合もあると解説する。興味深い説明である。チェス戦術の最近の流れを理解したい人にとり、非常に良い参考書と思います。また、著者は全局、専門用語を極力避け、誰でも分かる日常語で説明しているのもありがたい。