「大学改革論」の停滞ぶりを示す
★★☆☆☆
広島大学・筑波大学のスタッフ・出身者を中心とする人々による大学改革論の解説書。顔ぶれに新味はない。それためか、どこかで見たことのあるような論調が目立ち、新聞や雑誌の記事を読んでいるかのような錯覚にしばしば陥る。一部手直しされているとはいえ、「競争原理と大学改革」というタイトルで2000年3月に書かれた文章が収録されていることは、「大学改革論」が深刻な思考停止状態に入りつつあることを示す事例である。政策の枠組みを離れることのできない研究からは停滞した「大学改革論」しか出てこない。