徹底した他者への善。そして、無償の愛。それが力になるという。
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周りの人びとの痛みを和らげることが人生の一番の関心事という言葉で始まる。要所要所でダスカロス特有の用語に躊躇しながらも彼の人柄に引き寄せられ、あっという間に読み終えた。頻繁に出てくる【ヒーラー】や【真理の探究者】という言葉から特殊な立場の人向けに書かれているように最初は感じたが現代に生きる一般人にこそ大いに参考となる生き方の模範が提示されている。
「良いエレメンタルを、まだそれを受け取る準備ができていない人間に送ったとする。すると、それはその人間のオーラにぶつかり、帰って来る。そのような場合、エレメンタルは彼のオーラに跡を残して来る。その力はそこに残り、その人間が似たような波動で振動する準備ができた時点で手助けをする。したがって、善はなくなることが決してないということを知っておいて欲しい。」75ページ
「正しい栄養の摂取、呼吸法、生き方を通して、エーテル・エネルギーを十分に取り入れることができると、その人間の人格は完全な健康を楽しめるようになる。そのような人間のオーラは広い範囲に光を輝かせ、必要な人に吸収されることが多い。そのような人は、真理の探究者がそばにいるだけでも、探求者から恩恵にあずかることがある。」252ページ
「祈りの重要性を過小評価しているわけではない。ヒーラーが集中できる状態に入るための方法の一つになるかも知れない。私の場合、〈神の御旨が行われますように〉と考えるだけで十分で、それで治療を始める。しかし、真理の探究者は絶えず祈りの中にいなくてはならない。どの想いも絶対への感謝の気持ちがなくてはいけない。」254ページ
「多くのヒーラーたちは、特定の数の人たちだけしか手助けできないと思い込んでいる。エーテル・エネルギーには限界があり、不足になると信じているのだ。これは、まったくの幻想だ。自己暗示でエレメンタルをつくりあげ、それがヒーリングの道を閉ざしてしまうのだ。多くの人を助ければ助けるほど、バイタリティーは満たされる。ただし、そのためには心に愛情がなくてはいけない」255ページ
「ヒーラーが他人を助けたいと本当に心から思った時、肉体レベルでもサイキックなレベルでも失敗することはあり得ない」257ページ
そして、ダスカロスが真に伝えたかったことは
「私が理解できないのはセラピストが、なぜ自分のものでない、聖霊から与えられた生命のエーテルと引き替えにお金がもらえるかということだ。無料で与えられているものは、無料で奉仕するべきなのだ」42ページ
と各処でヒーリングにおける謝礼を拒否することが述べられている。
振り返って日本の精神世界の方々の実状はどんなものであろうか?ダスカロスの表面的に用語や瞑想テクニックを引用し、ヒーリングスクールを運営し、悩みの種を植え付ける指導者やオーラの色を指摘して50分1万数千円というチャネラー等の飯の種としてダスカロスの遺功が利用されるのは残念だ。日本の関係者に再考を希求します。
“最高のヒーラー”といわれた人
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「最高のヒーラー」といわたキプロスで著名なスピリチュアリズムのミディアム(霊能者)でヒーラーであった〈ダスカロス〉こと、スティリアノス・アテシュリス氏(1912‾1995)の紹介を初めて行った内容の本です。
ルポルタージュ(事実に基礎をおき報告に重点をおいている)ですので、ダスカロスという人が存在し「ヒーリングを行っていた実例」「彼の語る独自の世界観(彼が感じて捉えることのできる領域)」を著者キリアコス・マルキデス氏(米国メイン大学社会学教授)が報告する内容となっています。フィクションが大多数を占める精神世界本のなかでは珍しくダスカロスが実在人物だったという部分が特に素晴らしいと感じています。
アテシュリス氏は存命中、以下に挙げる著書を「霊的真理を探究」する世界の敬愛者たちに向けて遺しています。これらのテキストを所蔵している彼の長女の協力と日本の「ダスカロスの会」の手で以下3冊が邦訳されております。
●『エソテリック・プラクティス』
●『エソテリック・ティーチング』
●『キリストのたとえ話』」
(2010年1月現在)未邦訳
●ジョシュア・インマヌエル・ザ・キリスト
Joshua Immanuel The Christ - http://stoaseries.com/product/6/
●ザ・シンボル・オブ・ライフ
THE SYMBOL OF LIFE - http://stoaseries.com/product/13/
計5冊にダスカロス独自の世界観が詳しく書かれています。
本書では、それらの世界観をマルキデス氏が学び、読者のために〈ダスカロス独自の用語〉変えて分かりやすく説明している部分もあります。ダスカロス独自の用語「アチューンメント(ATTUNEMENT)」「アット‐ワン‐メント(AT-ONE-MENT)」を、「チャネリング」としているようです。詳しい「アチューンメント」「アット‐ワン‐メント」話は『エソテリック・プラクティス』『エソテリック・ティーチング』に記載されております。
また、原著メッセンジャーシリーズは第1作目のみアテシュリス氏の承諾(自分を題材にルポを書いて良い)を得て出版されたものです。これ以後続く、第2作目『太陽の秘儀』、第3作目『永遠の炎』は、アテシュリス氏の承諾を得ず著者が勝手に出版した事から親族の訴えで欧米では出版差止となっています。
メッセンジャーシリーズはアテシュリス氏のミディアム、ヒーラーとしての実績だけが真実で、他のほとんどすべてはマルキデス氏の書いたフィクション(創作)だという事が欧米では知られています。メッセージを訳した言葉を掲載しておきたいと思います。英文は原文となります。
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私たちのシステムは、「エレヴナ」と自称しているキプロスに本拠地をおく組織とは如何なる関係もないことをご理解下さい。私たちは、ただひとえに、人間意識の浄化に向けて専念する最善のあらゆる努力を願うものであります。さらに具体的に述べれば、私自身は、マルキデス氏と彼の事実に基づかない著作に対して、その関係を絶ったことを知って頂きたいのです。
Please be advised that our System has no affiliation to a Cyprus-based organization known as the Erevna. We only wish the best for all efforts engaged in refining the consciousness of humanity. Furthermore, I wish you to know that I have disassociated myself from Mr. Markides and his imaginative writings.
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本書はダスカロスの世界観と人柄を伝える、とても重要な本だと感じています。どのような霊的な本を読んできた人にもおすすめできるような素晴らしい一歩となるようなものだと思います。日本では、全くといって知名度が低いダスカロスですが生前から有名になることを極力避けていた、とても人間味のある人だと思います。
ダスカロスの教えた真理は、彼の生きていたキプロスの宗教・キプロス正教会(正統派キリスト教:ローマ・カトリック、プロテスタント、正教)では〈異端〉として扱われ、存命中も死後も埋葬地などの問題など様々な妨害や誹謗中傷を受けていたそうです。そのような環境のなかで、ただひたすら教えを続け無償でヒーリングを行っていた彼は、素晴らしい人だと尊敬しています。
第1章 ストロヴォロスの賢者
第2章 ナチスの悪霊払い
第3章 エレメンタル
第4章 経験の信頼性
第5章 カルマ
第6章 思い出
第7章 死と輪廻
第8章 ロゴスとの出合い
第9章 コズモロジー
第10章 惑星・地球を守る者たち
第11章 取り憑いた霊
第12章 ヒーリング
第13章 物質化と非物質化
第14章 振り返って
ヒーラー・オブ・ザ・ヒーラーが明かす広大な世界
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社会学者である著者マルキデスと、キプロス島に住むヒーラー・ダスカロスとの
対話が収録されています。これは3部作の第1作目ですね。
ダスカロスは、ヨーロッパにて「20世紀における最も偉大な霊性の教師」
「ヒーラーのなかのヒーラー」として称えられるほどの人物で、この本は彼の明かした
霊的真理のなかでも主に基礎的な事項を中心に載せてある印象を受けました。
彼の教えは、カルマ論・キリスト論などを中心に非常に一貫性のある言葉で語られます。
その教えの中核を成している「エレメンタル」の概念は刺激的です。
エレメンタルとは、人が何かの想念を抱くさいに発生させる、蛇の形をした霊的生命体のことです。
エレメンタルは同じ波長の人に拾われます。私たちが成長すると自分の想念が他人に影響を与えることに
責任を感じることになります。私たちの現在の人格は、輪廻のなかでつくりあげたエレメンタルの総合計です。
この「エレメンタル」の法則やその活動ぶりが生き生きと伝わる描写が満載ですので、
メッセンジャーシリーズはこの第1巻から読むのがオススメです。
またダスカロスの説明は非常にイメージ喚起的ですので、この3部作を通して読むと、
様々なスピリチュアリティーの概念
(たとえば、光/愛/天使/四元素/除霊/カルマ/ヒーリング/
/死後世界/上位世界/体外離脱/地獄でのレスキュー/意識の拡大/神との一体化/
などについても、わかりやすいイメージが得られるのではないかと。
こうした概念は、例えば禅では"魔境"として退けられていますが
ダスカロスが所属するキリスト教神秘主義では、それを認め、その中で応用自在に生きる力を獲得することと
いわゆる"悟り"や"神人合一"の教えとが密接に結びついているようです
(そのためか、教えのほとんどは非公開でした。続刊の差し止めもこの辺に原因があるのではと思うのですが…)
ゆえに、禅的なシンプルな悟りの教えを知りたい方には向かないシリーズかもしれません
特に体外離脱への言及が多いのが、この本の特徴でしょうか
というのも、その技法がヒーリングに使えるからです
きちんとダスカロス自身の体験からこれらの概念を語っている点も信頼できるポイントです
理性的な方なので、探求不足だと感じた事柄には、きちんと「わからない」と答えられていますし
ご本人が実際にヒーリングの大家であったという事実も、その探求の信頼性の高さを裏付けていると思います
また、ご自身のサークル内でも「体験の検証」を行われていたようです。
その教え以上に、私はダスカロス自身の、たいへんユーモラスな人柄に惹かれてしまいましたが。
とにかく素晴らしいキャラクターのおじさんでした。生きてるうちに一度お会いしたかったです
ダスカロスの教え
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ダスカロスとして知られていた人物について、ドキュメンタリー形式で教えを伝えています。
カルマの話がおもしろいです。ヒーリングの実例についても状況が詳しくのっています。
「七つの約束」は真理探究者の重要な指針として日々使えるものです。
マスター・ヒラリオンの物質化についても報告されています。
また、訳者あとがきにきわめて示唆にとんだ文章が載っています。「エレヴナにおいては、いわゆるニューエイジ信奉者たちがいっている、マントラ詠唱、アジナ・チャクラへの意識集中、前世想起、チャネリング、カラー療法やその他のヒーリング、それにトランスパーソナル心理学や魔術もすべて否定されている。ニューエイジ的感性によってエレヴナに接しないことをお勧めしたい。」