戦争体験者・記憶が薄れる中、反動としてのヒロシマは語り続けられる。しかし、作者の壮絶な体験の中から滲み出る広島・長崎・被爆者は決してカタカナにされたメッキではない。生身の人間の叫びこそが想像力を産む。
マス報道・TVではみえてこない、まさに写らなかった戦後がここに在る。想像力を失った現代人に、書籍の存在価値を知らしめる一冊。
著者の命がけの問いかけに我々はどう応えていけばよいのだろう。