ただ、彼らの1stアルバム`Tweez`を録音したアルビニも、自分が手掛けなかったこの作品を「完璧」、“ten fucking stars”と評したそうです。
さて、今でこそpost-rockとかmath-rockなどと言う言葉がありますが、1990年当時そんなジャンルはありませんでした。彼らはこの1枚でその一つのジャンルを作ってしまったのです。
なのに当人達はレコードリリース前にとっと解散しちいまいやがったので、当時これらの曲を実際に彼らがライブで演奏する姿を見た人は地元ルイビルでも相当少ない筈です。(去年期間限定で再結成されたのは別と考えて。)このジャンルが好きな人にとってこのバンドは、ジャズのBeBopが好きな人にとってのチャーリー・パーカーのような存在と言えるのにも関わらず、です。そこがまた伝説をより一層ミステリアスなものにしているのかも知れません。
この作品は今でも米国インディ・シーンで語り草になっており、この分野、「あのレーベル」の中でも結構な売れ方をしてきているそうです。(そっち系の)雑誌の「ベスト50」とか「ベスト100」で今でも決まって上位に入れらるので、当然といえば当然かも知れません。
この作品以降今日まで無数に登場したpost-rock/math-rock系の作品と決定的に違うのは、これほど凄いものを作っていることを本人達はあまりわかっていなかったのではと思えてしまう程の「無垢」な雰囲気と、何より「美しい」という点です。
ありふれた言葉でごめんなさい、米国インディ・ロックの歴史10傑に入る歴史的名盤、です。
私にとって人生で(今のところ)ベストアルバムである。
アルバムタイトルの通り深みにはまると抜け出せない
魔術がかかったようなアルバムだ。