不条理とは何か。仏語学習にも最適
★★★★★
カミュの代表作。この作品でカミュはノーベル文学賞の栄誉に授かることとなる。
この本を購入しようとする人たちは、何かしらのかたちで仏語を学びたいという意欲を持っている方々が多いと思うので、この本の仏語についてレビューすることにする。
小説ではあるが、臨場感を出すために敢えて、半過去やpasse composeが多用されている。基本的な時制さえマスターしていれば、時制でつまづくことはないだろうと思う。subjonctifやpasse simpleなどは、あまり用いられていない。
語彙のレベルに関して: 前半部はムルソーの日常生活を描いているので、そこまで難しい単語は出てこない。だが、後半部になると、法律ネタや裁判ネタが絡んでくるので、難易度が少しあがるかもしれない。難しければ、前半部だけ読むのでも良いと思う。
文体:簡潔かつ平明で、非常にわかりやすい。仏語圏で仏語の教材によく取り上げられるだけあって、簡潔な仏語に触れることができる。
そして、なんと言ってもこの本は安い。中途半端な日本語の仏語読本を買うより、この本と日本語版を買って、読み比べたほうがコストパフォーマンスが良い。
20世紀を代表する仏語圏の文学者の作品なので、仏語圏でも人気の作家の1人です。カミュを読んだことがあると言えば、仏語圏の人たちとの話しのネタにもなるので、お勧めです。
ミステリーと恋愛
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場所は北アフリカ、しかし物語にはフランスが満ちあふれています。物語はミステリーのように進み、アフリカのフランスがひとつひとつの文章から沸き立ってくるのです。太陽と海のキラキラした光景が人を狂わせます。主人公は1人だけの生活に漂って突然の事件にほんろうさせられます。彼は嘘がつけません。日々の潤滑油になっている嘘がつけないために主人公は社会から疎外されます。私はこの物語が小説というより神話のように思えてしょうがありません。そして、これは私の大切な物語になりました。私はママンが死んだ養老院を遠くから見た時、ムルソーはここまでアルジェから通っていたのだと思いました。
易しいフランス語
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個人的にカミュの最高傑作。既成の慣習やら常識やらに全くとらわれず我が道を行く青年ムルソーの話。一人称で語られるから、それほど難しいフランス語ではない。1、2年勉強した人なら何とか読める。日本語訳を読んでから読めばさらによく理解できる。