このトリオは、魔法のようなヴォーカル・サウンド、ブレなく完璧に捕らえたイメージ、独自のすぐれたソングライティングの才能をあわせ持っていた。だが最大の強みは、当時無名だったソングライターたちの優れた作品をかぎつける能力にあったのかもしれない。メジャーなグループとして初めてボブ・ディラン、ゴードン・ライトフット、ローラ・ニーロ、ジョン・デンバー、トム・パクストンの曲をカバーし、さまざまなソングライターの曲をより多くのリスナーに紹介するのに一役買ったのだ。この伝説のグループは、誠実さとユーモアと、3人の目の覚めるようなハーモニーさえあれば、社会への反抗でも時代がかったバラードでも、モダンな悲しみでも、それに魔法のドラゴンを題材にした歌でさえもキャリアを築けることを証明した。そのすばらしい業績の証拠が本セットだ。(Michael John Simmons, Amazon.com)
日本のフォークは、ピーター・ポール&マリーのカバーからスタートした、と言っても過言ではないと思います。「パフ」なんかは、アマチュアのフォーク・ソンググループの定番曲だったと言えるでしょう。みんな、コピーしようと努力しましたが、このステキなハーモニーはなかなか産み出せなかったと思います。アメリカン・フォーク・ミュージックの最高峰ですよね。とても上質のハーモニーは、思い出と共に色あせないものになっています。
個人的には、「悲しみのジェット・プレーン」が大好きです。1969年に全米第1位になった曲です。リアルタイムに深夜放送で聴いていた曲なので、今でも気にいっています。もともとジョン・デンバーの曲ですが、PPMの歌声だからヒットしたと思います。
最愛の恋人と別れを惜しみながら、ジェット機に乗って飛び立っていくという歌です。1969年当時、ジェット機は軍用機しかなかったそうですね。当時の社会情勢をご存知の方はその時代背景が良くわかると思います。アメリカの多くの若者がベトナムに連れていかれました。
すなわち、ベトナム戦争真っ只中の「反戦歌」の意味合いが含まれていたこともあり、若者の支持を集めたのでしょうね。ちょうど日本では大学紛争激化の頃です。
男女3人のハーモニーとギターで奏でられるサウンドは、「フォーク」という一大音楽ジャンルに燦然と輝きを持って今も存在しています。エバーグリーンミュージックと言えましょう。
マリーさんは来年70歳になります。いつまでもいつまでもお元気で活躍して欲しいですね。