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世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 徳間書店
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誰が正しいのか ★★★★★
この本は2009年に発行されてすぐ読みました。
経済学部の出身でもないためか、さまざまな経済学者、評論家の本を読んでもピンときませんでした。
特に竹中平蔵氏の本は「一体何を言っているんだ。」と理解できませんでした。
(まあ、きっとこちらの知識不足でしょうが)
その中でリチャード・クー氏の本だけはストンと理解できました。
そして、先週、日本振興銀行が破綻しました。
115ページにこう書いてあったのを思い出しました。

「もしもこの不況が中央銀行による資金供給不足、つまり借りたいのに借りられないという状況で起きたのならば、
金融緩和はそれで効果があるだろう。しかし、現実には借りる人がいないのだから、借りる人がいないところに、
これ以上、資金を銀行に積んだところで、銀行として貸し出ししようがない。そんなところで無理したら、銀行は
ますます不良債権の山を増やすだけである。そして、それを果敢にも証明してくれたのが日本の新銀行東京と
日本振興銀行という二つの銀行であった。この二つの銀行は、資金需要はあるのに従来の銀行マンが無能だから
こそお金が回らないのだということで貸し出しの拡大に走り、見事な社会実験をやってくれた。その結果、
この二行は不良債権の山を築くという見事な結果をもって、銀行が本来貸せるような相手の資金需要がいかに弱い
かを証明してくれたのである。」

で、なぜクー氏を認めない「専門家」の先生方が多いのでしょうか。経済に疎い私にはわかりかねます。
今日の新聞では、日本振興銀行の件についてのインタビューをT先生は、一切受け付けていないそうです。
あんなに木村会長と仲良しだったのに。
バランスシート不況の絶好の教科書 ★★★★☆
 出版が2009年8月31日というのに歴史の皮肉を感じる。世界中を襲っているバランスシート不況について詳細に、しかし分かりやすく説明した本。

 バランスシート不況とは「みんなが同時に債務の最小化を目指した結果、景気が悪循環に入ること」である。企業や家庭が合理的に行動し債務を返却する、つまりは借金返済と貯蓄を行う。結果、フローとして流れるGDPが減り、景気が悪くなる。合成の誤謬である。

 唯一の打開策はひたすら政府が借金してインフラ整備などにばらまいて無駄遣いすることだ。しかしこれは、赤字という言葉に敏感な政治家と国民の理解が得られず実施するのが難しい。

 日本でこれを理解していた指導者として小渕・森元総理、麻生総理を挙げている。麻生氏については、日本のバブル崩壊後の経験をG20で世界の首脳に直接語りかけ、世界中で財政出動することを宣言させた功績を大絶賛している。国内では残念ながら、特別給付金やエコポイント、バー通いというB/S不況対策をマスコミにたたかれて退陣した。

 まあマスコミは自らが誘導した無能政権で不況が長引き、広告が減っているようなので、因果応報ということでしょうな。
読んで衝撃!(思いがけず) ★★★★★
読んで思いがけず、疑問がいくつか氷解した。

Q.1 中国の「巨額の財政出動」が、なぜあれほどスムーズに決定され迅速に実行されたのか?

A.中国語訳された氏の本が大ベストセラーに(中国政府にも何回も招かれ講演や意見を聴かれたという)。

Q.2 インフレターゲット論の本家クルーグマンが、今回の危機にインタゲを主張していないのはなぜか?

A.考えを変え今は強力な財政出動を主張(クルーグマンとクーは過去に何度か議論したという)。

Q.3 大恐慌の研究で、財政政策×、金融政策○が定説になり、クルーグマンのインタゲも、それが前提だった。ところが、大恐慌研究の本家C.ローマー(2009年1月経済財政諮問委員長就任)は、2009年3月講演で、大恐慌の教訓として「財政政策については規模が小さいならば効果も小さい」と整理。これは、定説と微妙に違う(規模大なら効果大ということになる)?

A.この本の114ページの図14(「陰と陽の経済学」2007で既出)が財政×をひっくり返した(金融○の根拠だった1933年(最悪期)から1936年へのマネーサプライ増加は、ほぼ100%政府への貸出増加(財政出動分)に見合うもので、民間貸出しは全く回復せず)。

 この発見は、すでに実務系の学者・エコノミスト間では広く世界的な合意になっている(?)。日本でも「通商白書」2009年版に、クーの本が参考文献に、また本文に「バランスシート調整」という見出し。

 若田部『危機の経済政策』(2009)にはバランスシート不況論は全く登場しないが、クーが10年後にノーベル経済学賞を受賞しても私は驚かない(入口が違う感じだが。・・・各国政府が、経済学主流を無視し、クーの議論を念頭に財政出動しているのであれば、・・・自然科学ならもらえると思う)。

 最後に、元エコノミストのはずなのに、村山さんの話は現実遊離で飛躍しすぎ(おもしろいけど)。
クー氏のバランスシート不況論を ★★★★★
わかりやすくいうと、民間が借金して景気が良くなり、
やがてバブルになる。それが弾けると民間が借金しなくなるので、
景気が悪くなると、だから政府がその分、代わりに借金して公共事業を
行って支える、という考え方です。
もうひとつは、不良債権処理を優先するのは、景気をさらに冷え込ませ、
納税者負担も大幅に増えてしまうので、資本注入の方を優先し、
景気と株価の回復を待ち、不良債権は時間をかけて処理したほうが合理的ということです。
アメリカの土地や株価は、80年代後半の日本ほどはバブルではなかったので
希望はあると思います。
アンバランスの解消 ★★★★☆
第1部にリチャード・クー氏による世界金融危機の発生の仕組みと状況。
第2部に村山昇作氏による金融資本主義の問題点。
第3部に二人の対談。
・金利をどれだけ下げてもお金を借りたくないムードになった個人及び企業。
会計基準が厳密になればなるほど財務のバランスが気になってしょうがない企業。
(私のイメージでいうとそれほど太ってもないのにダイエットに励む人?)
・アメリカ人の耐久消費財の購入感覚は投資と同じ感覚。
長引く不況に「今世界経済はどういう状態なの?」を手っ取り早く知りたい方におすすめです。