教育だけではない。
★★★★☆
報道もされ、賛否が問われた杉並区立和田中学校の「夜スペシャル」開催へ至った経緯など紹介されております。
「塾の講師が公立学校で授業を行う」という部分だけ聞くと反対してしまうが、この本を読めば、生徒の事を第一に考えた結果だという事がわかります。
また、教育関係者への本ではなく、社会を生き抜く為の、指南書のような本です。
仕事や勉強に行き詰っている方へ、おすすめの本です!
教育関係者や社会起業家にお勧め
★★★★☆
主に学校現場の課題を「つなげる」ことによって
解決(改善)した実践例が紹介してあります。
つながる主体のそれぞれに、メリットが生まれるように
つなげることで、多くの問題が解決されることを
実践例を持って主張されています。
紹介されている例は、
<地域本部>
・学校と地域をつなげて図書室の環境改善
・学校と地域をつなげて校庭の改善(芝生化など)
・学校と地域をつなげて落ちこぼれ、生活習慣対策
<夜スペ>
・学校と塾をつなげて吹きこぼれ対策
・学校と塾をつなげて進路指導対策
<よのなか科>
・学校の授業と世の中をつなげて「正解のない問題に取り組む力」をつける
お金が回っていないのに、このような仕組みを実現してきた
藤原さんの実行力に改めて関心させられました。
そういう意味では、6章(「人を動かす」)が大事なのかもしれません。
・教育問題の解決方法が紹介されている
・資本がない中でつなげることによって解決する事例が紹介されている
という2点より、教育関係者や社会起業家に特にお勧めできる書籍であると思います。
情報編集能力>情報処理能力
★★★☆☆
著者が長年言い続けている情報編集の力を、さらに分かりやすく「つなげる力」が大切とアピールする本。ロジカルシンキングからインテグレーティブシンキングへの思考法を学校教育の世界でも実践しているということか。
いろいろなモノをつなげてみよう!
★★★★★
リクルートの営業職から公立中学校の校長に転身した著者が5年間で行ってきた学校改革の全貌を紹介している.
キーワードは書名ともなっている“つなげる力”である.学校と地域社会をつなげた「地域本部」,学校と塾をつなげた「夜スペシャル」,学校の授業と世の中をつなげた「よのなか科」など次々と斬新なアイディアを生みだし,生徒の学習意欲と学力の向上につなげてきた.
著者は生徒に通常の学力(従来型学力=情報処理力)だけでなく,社会で生きていくために必要な学力(PISA型学力=情報編集力)をつけさせるために力を傾注してきた.更に人を動かすためのリーダーシップ論についても述べられている.
本書を通して,著者は,子供に対する愛情だけでなく,幅広い視野,強いリーダーシップ,優れた交渉力を持ち,中心軸のしっかりとしたビジョンを描くことのできる人物だということが分かる.
本書は教育関係者だけでなく,子を持つ親や若い社会人に特に読んでもらいたい.
つなげる力は公私ともに使える
★★★★★
都内では義務教育初の民間校長を杉並区立和田中学で2003年から
務めた著者が、公私にわたり「つなげる力」で問題を解決したり
新しいことを生み出したりしてきたことを紹介しています。
特に公については、リクルートで培われた知見を公教育に生かす
ことが実例を交えて詳細に紹介されています。理路整然としてお
りますが、実際には進める際には苦労が絶えなかったとか。正解
がないからこそ、新しいことをやろうとすると躊躇が生まれるの
ですね。
世の中で起きている問題は正解のない問題です。これにどのよう
に取り組むか。正解がないから諦めるのではなく、また好き勝手
にするわけでもなく、納得できる解(納得解)を得るようにしよう
と本書では主張してます。これは、現状認識や知識・経験をつな
げる力(情報編集力)を用い修正を繰り返すことで得られます。
ただ、修正する行為や知識取得・経験蓄積は大変。だからこそ、
反復が苦しい行為について短期的に目に見える成果の積み上げを
促す仕組みにも言及していて、いくつか紹介があります。