良い!という点も多いだけに、惜しい出来?
★★★☆☆
もっとも有名・ポピュラーと思われる同種本(※とします)と比較して書かせていただきます。
●良い点
・上記※の「箇条書き」ではいまいち頭にスッと入ってこなかった点が簡潔で明快な表現で説明されていて、そういうことだったのかと感じさせられるところが(たまに〜しばしば)あります。もちろんこの本の基本も箇条書きではあります。
・とくに基礎看護学のページがきれいに整理されて見やすく、充実しています。
・ページ構成がきれいで、本を開いていて気分がよいです。余白が大きく、書き込みたい方に向いています。
●悪い点
・疾患のページでは、治療や他疾患との鑑別などについてはときに上記※より詳しい部分があります。でも、そこでの看護についての記載が本当にちょっぴりであったり、医師診療用のマニュアルのような感じで説明のない部分があったりで、この章の筆者はもしかしたら看護師さんではないんじゃないかなと感じることもあります。
とはいっても、章ごとにその充実度がまちまちで、分かりやすい表現と図表によって非常にイメージしやすく頭に入ってきやすくなっている分野もたくさんあります。それだけに「惜しい!」のです。
・情報量は概して※より少なく、少し不安になることもあります(とくに、解剖生理学などの専門基礎分野、疾患ごとの病態生理・看護など?)。いきなりの羅列で機序についての説明が足りないところもあり、基礎がある人でなければ丸暗記が難しいかもしれないということも。でも、そのコンパクトさが長所でもあります。
・疾患のページの同一章内で、病態生理と治療法のページが分けて配置されているのが少し残念です。でも、不便というほどでもないです。
・紙質の見た目や触感はとても気に入っているのですが、ペンのインクが結構しみやすいです。このため、蛍光ペンやサインペンで線を引くと、しみたところと裏面に引いた線とが区別しにくくなってしまうこともあります。
●まとめ
このように、この本は、ここは良いのにここはちょっと…という「惜しい!」出来の本なので★3つです。
でもこの本を完全にマスターすれば国家試験に必要な看護学のポイントをだいたいカバーしたことになるでしょう。それに、必要なポイントに絞られているため?情報が少なめである?ということを承知の上で、類推や消去法で正解を導けるようにするというのがこの本の趣旨なんだろうと思います。
…ということで、私は下記のようにこの本を使っています。
私がこの本を買ったのは、上記※の箇条書きの羅列に疲れて勉強に飽き気味だったからです。自分的にはこの本は、中身の見た目がきれいで、図表が多く、文章も簡潔で分かりやすいため、※よりは相当読みやすく感じられました。
そうはいっても、確かにこの本では不安になることもあるため、解剖生理学や看護などに関しては上記※に後から立ち返って、足りないところをチェックします。(もっとやる気のある方なら、教科書などからも補充しながら活用されると思います。)また、先にこの本を読むと、上記※の無機質に思えた箇条書きが頭にスッと入りやすくなっているような気がします。